No. 13
豊洲IHIビル
活発にコミュニケーションできるユビキタスオフィス
【提案者】 | 石川島播磨重工業株式会社 | 【提案年月】 | 2006年4月 |
- 【概要】
- 石川島播磨重工業鰍ヘ、江東区豊洲の工場跡地を再開発し、街作りの中心として地上25階建ての本社ビル(名称:豊洲IHIビル)を建設した。
中期経営方針のなかで「収益性向上と成長」、「グループ経営の強化」を掲げ、その施策の一つとして都内に分散していた設計・営業・管理部門、機能分担関係会社を集約した。
「活発にコミュニケーション出来る環境」を実現し、グループ内の知と情報の共有を促して、組織の壁をなくし、社員の意識改革とワークスタイルの変革を成し遂げた。
ITインフラは大容量かつ高速、全館無線LANを導入し、いつでもどこでも働ける「ユビキタスオフィス」を構築した。
また、運用コスト低減のために「ユニバーサルレイアウト(設備・家具等ファシリティーの標準化)」を採用した。
オフィスでは、様々な業務シーンに応じた「コミュニケーション空間の充実」、本来業務集中のための「業務支援のアウトソーシング化」、従業員にゆとりを感じさせる「福利厚生施設の充実化」を図った。
- 【空間(WORKSPACE)】
- 業務シーンに応じたコミュニケーション空間
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執務室
- フリーアドレス対応可能な仕様になっている。
- 共有会議室
- 遠隔地とのTV会議室や大人数での会議を行う場。
- フロントローディング
- プロジェクト受注前に関係者を集め、集中的に討議・検討を行う戦略の場。

- プロジェクト室
- プロジェクト進行中に各メンバーが中長期、専有して集中執務できる場。
- 指令室
- 会議室を併設した部門責任者の意志決定の場。

- 食堂
- パワーランチブースとカフェコーナーを設置。気分を変えた打合せの場。
パワーランチブース
- リフレッシュ
- 喫煙、禁煙を各階に設置。社員間インフォーマルコミュニケーションの場。
- 【道具(WORKTOOL)】
- 無線LANを導入
- 全館で使用できどこからでもサーバーにアクセス可能。
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複合機を導入。
- ICカードによる認証で全館、どこでもプリントが可能。
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IP電話を1人1台採用
- イントラの電子電話帳で在籍確認ができ、画面から直接、電話が掛けられる。
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音声、映像、データを統合する高速大容量ネットワーク(最大10Gpbs)で遠隔地と資料を共有した会議が可能。
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共有会議室はプロジェクターを標準装備。無線LANにより各自PCから無線で映写が可能。
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意見交換のサイト
- カンファレンスプレイス・ディスカッションプレイス)や専門家コンタクトのサイト(エキスパートプレイス)等のアプリケーションを構築。
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応接室、研修室、会議室等は全てイントラネットで予約
- 【働き方(WORKSTYLE)】
- ユビキタスなワークスタイル
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各自ノートPCを持ち歩き場所を選ばず、会議室、食堂、情報セセンター、コンセントレーションエリアで打合せや集中業務を行う。
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文書削減と電子を主とする情報管理
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約10.0Fm/人の文書を2.0Fm/人に削減し電子化と外部倉庫化を実行。
電子化された情報のライフサイクル管理を体系的に行うシステム(ドキュメントプレイス)を構築。既存の文書管理台帳との整合性を図る。
電子化した紙文書をサーバーに保存する際、リテンションスケジュールやアクセス権の設定が可能。
申請・決済手続が電子化され申請者の一覧、ルート、進捗状況、過去検索も確認可能。

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無駄な会議の防止
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共用会議室は有料とし無駄な予約を抑制。効率的な会議運用を実現。
【実施例】
- 2006年2〜3月に移転し、4月に全館オープン。現在まで各空間や道具を活用した働き方を実施。コミュニケーションの活性化は今後の内部統制にも好影響を与えると思われる。また、「どこでもプリント」は出力の取り忘れといった情報漏洩の抑止にもなっている。10月にオープンした「IHI昭島ビル」もITインフラでは同じコンセプトを展開している。
【受賞暦】- 第19回日経ニューオフィス賞 日経ニューオフィス推進賞
【紹介文献】- 石川島播磨技報(Vol.46、No.2)
- 日経産業新聞記事(2006年3月15日)
- NEW OFFICE(10月号)〜日経ニューオフィス賞受賞特集〜
- 月刊近代家具(9月特別号)
- たかが文書,されど文書管理(2006年11月13日)日経BP企画、山下貞磨著
- ゆか(Vol49 No11):インテリアタイムス社
- 富士通HP事例紹介「ユビキタスワークスタイルへの取組み」〜麻木邦子さんとの対談〜
(http://jad.fujitsu.com/adver/produce/report/case_09/?banner4)
- 日経ビジネス(10/23)、日経情報ストラテジ(12月号)、日経コンピュータ(10/30)、日経コミュニケーション、日経SYSTEM、日経ベンチャー各誌の富士通お客様紹介事例※内容は富士通HPと同じ
- 空気調和衛生工学会誌(H19年1月号)※オフィス家具とプロダクティビリティについて
【その他】
- 高層棟12階に、24時間利用可能な情報センター(図書館)と図面センター(出力やコピーサービス)による業務支援施設を設置。(12階は全てのEVが止まる階)
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低層棟の3階に、研修機能を集約し社員の研修やリクルート活動に使用。
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低層棟2階に社員全員の定期健診がいつでも行え、内科などの診療も兼ね備えた健康支援センターを設置。メンタルヘルスケアの為の健康相談室も設置。
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各階共通の標準レイアウト(ユニバーサルレイアウト)とし、組織改正や人事異動に伴うレイアウトト変更工事を低減。年間50百万円以上のコスト削減を見込む。
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