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EOO (E Open Office)

ユビキタス・オフィス環境の構築と新しいワークスタイルの実践


【提案者】富士ゼロックス株式会社【提案年月】2006年2月
【概要】
 EOO(E Open Office)とは、富士ゼロックスの事業ビジョン「オープンオフィスフロンティア(OOF)」を具現化するオフィス環境である。
OOFでは、時間・空間・組織といった枠組みを超えて、ネットワーク上に分散する知やサービスを利用できる環境の実現を目指す。
当初は、経営層(Executive)をターゲットとし、役員会議室というワークプレイスを中心に、経営層自らが「新しい働き場」で「新しい働き方」を実践できるコラボレーション環境を構築し、経営会議および役員の活動の生産性向上を目指した。
 設計の基本コンセプトとしては、テクノロジーが顕わでなく、直感的で自然な操作で、誰でもが容易に使用でき、行く先々で、その場の状況(場)に適合した環境やサービスを利用できる、ユビキタスオフィス環境を目指した。
「意思決定」「議論」「企画・検討」「相互触発」という4つのタイプの協同作業に焦点を当て、各々のスタイルに適切なワークスペースとアプリケーションを総合的に設計・構築した。

【空間(WORKSPACE)】
4つの場「意思決定型会議室」「議論型会議室」「企画・検討型会議室」「相互触発の場としてのサロン」

意思決定型会議室
参加者全員(Max30名)の顔が見渡せる楕円形の机、音声がクリアに聞こえるための机埋め込み型マイク、手元で提案資料を参照できる端末装置を設置。

議論型会議室
参加者全員(Max22名)の顔が見え、かつ、3面の大型スクリーンを全員が注視できる、V字型の机配置。遠隔会議システムも設置。

企画・検討型会議室
参加人数(Max15名)や議題に応じて自由にレイアウトできる可動式の机。大型3面の電子ホワイトボードとTV会議システムを設置。

相互触発の場としてのサロン
カジュアルな空間デザイン。電子ポスターや情報表示テーブルなど情報へのアクセス手段を設置。
個人作業用スペースも併置し、出会いの機会を高める。
【道具(WORKTOOL)】
 複数の多彩なツールが導入されているが、これらが単独ではなく、互いに連携して動くことが特徴。代表的なものとして以下がある。

EOO Board

電子ホワイトボード型アプリケーションで、対面及び遠隔コラボレーションを支援する。また場に合ったサイズが選択できる。

EOO Pad

会議の発表資料に個人メモを記録できる個人端末。

EOO Desk

ICカード認証により、どこからでも自分のデスクトップ環境を利用できる。

 これらは、ドキュメントマネジメントシステムと連携し、会議の場だけではなく、ドキュメントの保管、流通、再利用といった、一連のドキュメントサイクルを支援する。

【働き方(WORKSTYLE)】
新しい役員像
自らが、「自社技術の先端的ユーザ」であり、「実践的なプロモータ」であるという、新しい役員像。

ユビキタスワークスタイル
モバイルのように情報や道具を持ち運ぶのではなく、どこへ行っても、そこが自分の仕事環境に変わるという、ユビキタスなワークスタイル。

4つのコラボレーションスタイル
意思決定タイプ
提案を受けて意思決定を行う。提案内容の正確な把握と的確な判断、決定の迅速な展開が必要。
議論タイプ
課題の説明を受けて議論を行う。課題への深い理解と、フランクで活発な議論が必要。
企画・検討タイプ
アイデアを創出し、企画を練る。「自ら前に出て、自分のアイデアを書く」という議論スタイルを仮定。
相互触発タイプ
会議の前後に役員同士がアドホックな打ち合わせをしたり、インフォーマルなコミュニケーションをすることで、最新の情報を取得したり、日常の経営意識を共有する。

【実施例】 【利用例】 【受賞歴】 【紹介文献】
  1. 富士ゼロックステクニカルレポート no.15 2005 EOO:ユビキタスオフィス環境の構築と新しいワークスタイルの実践 http://www.fujixerox.co.jp/company/tr/15/download/pdf/t_5.pdf
  2. 富士ゼロックスホームページ EOO開発者インタビュー記事
    http://www.fujixerox.co.jp/company/technical/interview/eoo/index.html

【その他】
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