2007年3月12日
日本建築学会 地球環境委員会 建築とCSR(建築と社会的責任)小委員会
COP3に対応し「今後我が国の建築物はLCCO2 30%削減、耐用年数3倍増(100年以上)を目指すべきである」とした日本建築学会声明(1997年)の実現を目指して「地球環境委員会」の活動が実施された。本小委員会は、地球環境保護という視点から、また、建築物は社会的共通資本として認識されるべきであるという立場から、建築物の長寿命化を最重要課題としてとらえ活動(2005年4月〜2007年3月)を行った。
建築学会の2003年の提言にあるように、本来、建築物は社会的共通資本として認識されるべきものであるが、短命が半ば常態化していた我が国では、建築物も消費財と同様にとらえられ、社会的な価値をもつ社会的共通資本であるとの発想は希薄であった。地球環境という新たな視点の中で、建物の耐用年数がクローズアップされ、建築物はより社会性を備え長寿命化されるべきと考えられる時代になった。
本小委員会では、こうした状況に対する認識の下に、従来我が国における建築物のスクラップ&ビルトを前提に組み立てられた様々な思想や仕組みを見直すにあたり、「建築物と社会的責任」について、工業製品に関わる社会的責任の基本理念としてOECD(経済協力開発機構)が打ち出した拡大生産者責任(EPR)を比較対照として整理し、補論としてひとつの具体的な制度提言を試みた。