日本建築学会・建築経済委員会
集合住宅管理小委員会
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設置目的と位置付け
設置目的
分譲集合住宅(区分所有のマンション)は、ストック数が約450万戸に達し、都市の居住形態として広く定着した。しかし、その一方で、建築後相当の年数が経過し老朽化又は陳腐化したマンションストックが増大しつつあり、その再生は21世紀の都市住宅政策上の大きな課題である。
本小委員会は、管理や建物保全の適正化等のマンション管理問題の解決を主な目的として1984年度大会での研究協議会を契機にして設立された「集合住宅管理小委員会」の成果を継承しつつ、今後急増する高経年マンションの「再生」問題に主眼を置き、以下の研究を推進することを目的として設置する。

  1. 建物及び居住者の高齢化、市場性の低下による空き家の増加等の状況下において、高経年マンションの居住環境及び価値を再生する多様な仕組み(手法、法制度等)についての提案型研究の実施。
  2. 再生を実現するためのマンション管理組合の区分所有法上の能力、運営方法等についての提案型研究の実施、及び区分所有者間の合意形成手法に関する問題解決型研究の実施。

委員会の位置受け
人口減少・高齢社会が到来する中で、高経年マンションの再生は喫緊の社会的課題になりつつある。国の施策においては、マンションの建替えの円滑化に向けた法制度の整備等が行われているが、建替えのみでの再生には限界があり、また地球環境保全等の観点から社会的にも望ましくない。都市住宅として定着したマンションを良質な住宅ストックとしていくためには、マンションの属性に応じて、建替えに加え、既存躯体を有効活用した改修・改造・減築など、多様な手法による再生が実現される仕組みを整備する必要があり、建築学会として客観的問題認識に基づき問題解決・提案型の研究を積極的に行っていく必要がある。 マンションの再生には、新築及びリフォームに係る建築技術や建築基準関係規定等の公法のみならず、区分所有法や民法等の私法、実現にあたっての区分所有者間の合意形成や管理組合運営など、多様な研究分野が関わってくる。「集合住宅管理小委員会」のこれまでの成果を継承しつつ、こうした総合的かつ学際的な視点から研究を推進していく点に本委員会の特徴がある。


活動計画
初年度:高経年マンションにおける建物の老朽化・陳腐化の実態及びコミュニティ構成上の問題等の実態認識(既往成果の整理並び補足調査の実施等による)を踏まえ、多様な方法によるマンション再生を実現する上での課題の体系的整理を行う。

2年度:既存躯体を有効活用した改修・改造・減築、これら手法と建替えとをミックスさせた団地再生など、多様な方法による再生を実現するための法制度上の課題を整理し、解決に向けた制度の検討及び提案を行う。

3年度:再生を実現するためのマンション管理組合の区分所有法上の能力のあり方、特に組合による不動産経営の可能性について検討する。また、マンションのライフサイクルを想定した運営・再生計画の立案など、再生を円滑に実現するための管理組合運営の方法についての研究を行う。

4年度:再生の円滑化のための管理組合の運営方法についての提案型研究を継続するとともに、区分所有者間の合意形成手法について検討する。また、4年間の研究成果をとりまとめる。


期待される成果
アウトプットとして、マンション再生を実現する上での課題の客観的整理に基づき、問題解決のための法制度、管理組合運営の仕組みを提案する。
各年度の研究成果についてとりまとめを行い、国及び地方公共団体、マンション居住者、マンション再生に係る各種業界等に開示していく。また、成果がまとまった時点で随時シンポジウムを開催する。
以上の方法により、マンション再生の円滑化に向けて、積極的に情報発信していくこととする。
         
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