No. 14
リコーA
信頼感を醸成するコミュニケーションを支援するツール・空間の提案
- 【概要】
- ITの普及により、仕事をするための時間と場所の制約が少なくなった。
同時に少子高齢化に伴いワークライフバランスに対する関心は今後高まり、フレキシブルなワークスタイルはさらに広まると思われる。
しかしその一方で個人作業的な業務が減少し、グループで行う仕事がますます増えることが予測される。
この背反する傾向を解消するためには、円滑なコミュニケーションを行えることがカギになる。
だが時間と場所を異にするメンバー同士のコミュニケーションが増えれば、その意思疎通のやり方やルール、そして用いる道具や環境が現在とは違うものになるだろう。
将来のオフィス空間やそこで用いられる機器類は、リアルとバーチャルにまたがったメンバー間の信頼関係を醸成し、グループワークを支援することが強く求められる。
- 【空間(WORKSPACE)】
- コラボとミーティングの実験例


- 4タイプのコミュニケーション(人数、フォーマル/インフォーマル、集中度などで異なる)に対応しコミュニケーションを支援する空間。
どれも動線のデザインとリンクして構成される。
専用空間ではなく、利用目的により構成を変えられ、基本的にはオープンな空間作りで家具やツールは移動できる。
- アドホック
- 特別な場所というよりは ”立ち止まって”立ち話が出来る空間
- コラボレーション
- 意見交換や収束化を支援するツールがある空間
- ミーティング
- 10人(以上)が同時に議論できるような空間。オープン/クローズどちらにでも対応できるが基本的にはオープン
- コンセントレーション
- ひとりで短時間篭れるような空間
- 【道具(WORKTOOL)】
- 空間的家具の実施例

- オフィス空間に設置されるツールは”家具”として使えるものに集約され、他の機器類は空間と融合し他存在になる。
グループワークのためには、複数人で同時に使うことが出来るコラボレーション用の機器が活用される。 - Interactive Station
- スタンドタイプとテーブルタイプを用意。
紙を使っていた作法や感覚を継承しながら、紙では出来なかったグループメンバー同士によるドキュメント作成を支援する。 
InteractiveStation (Stand Type)
- 【働き方(WORKSTYLE)】
- IT環境の浸透が進み、社内外でのテレワークは日常化し、ユビキタスなワークスタイルが進む。全社一律ではなく、部門やプロジェクトごとにワークスタイルが異なる。
【実施例】
- 弊社のある企画部門を対象に4つのコミュニケーションに対応した空間をデザインし、約2年間運用中。
【紹介文献】- AXIS Vol.123: InteractiveStation(2006年9月28日〜10月8日の「21世紀のID」展でも紹介)
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