一般社団法人日本建築学会北海道支部
 
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住環境の変化が身体へ与える影響の実態把握
(住環境影響の実態把握)



研究期間 2009.4〜2011.3

 1.研究の目的:

  住宅における死亡は全体の約12%を占め、その数は冬期に顕著となっている。特に浴室での入浴死は年間1万人を越すと推定され交通事故死をも上回るが、その対策は遅れている。住居内の温熱環境の確保は居住者の健康を考える上で重要であるが、居住内の温熱環境の基準は示されていない。本研究では、室内の温熱環境が身体へ与える影響について、夕張医療センターの介護老人保健施設利用者を対象に、日常生活における室内の温熱環境と生理データを同時に計測し、住居内の温熱環境が身体へ与える影響を把握し、高齢者を対象とした住居内の温熱環境の基準策定の基礎データを得ることを目的とする。 

2.研究方法:

  本研究では、被験者の居室温熱環境を測定すると同時に高齢者の生理データを計測する。また、被験者の温熱感申告をアンケートで調査する。これらの結果から、室内温熱環境の変化に伴う人体の生理へ与える影響を明らかにする。建築学・医学・看護学の連携を図り進める。 

(1)基礎データ:性別、年齢、現疾患、既往歴、バイタルサインズ、体重、身長。

(2)居室温熱環境:居室、脱衣室、浴室の各室において、室内温湿度(床上100mm、600mm、1200mm、1600mm)、作用温度(グローブ温度計;1200mm)、気流速度(1200mm)、床表面温度、被験者の着衣量。

(3)生理データ:血圧、心拍数、鼓膜体温、手の甲・足の甲の皮膚温度。

(4)温冷感覚申告:7段階。

(5)測定回数:在室時、入浴前、入浴後に各1回/日


研究委員名


主査 羽山広文 北海道大学大学院工学研究科
委員 斉藤雅也 札幌市立大学デザイン学部
  菊田弘輝 北海道大学大学院工学研究科
  坂倉恵美子 札幌市立大学看護学部
  岩元 純 旭川医科大学医学部
  村上智彦 夕張希望の杜夕張医療センター