一般社団法人日本建築学会北海道支部
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 建築作品発表会委員会

委員会設立の趣旨

 本委員会は、建築関連3団体の協賛を得て作品発表会を開催し、切磋琢磨しあうことにより、北海道における創造活動を促進することを目的として創設された。 建築作品発表会委員会内規の詳細については、支部規定;作品発表会委員会内規のページを参照ください。

 

1、 本年の活動方針

 建築関連3団体の協賛を得て、作品発表会を開催する。発表会は、作品発表とコメンテーターによる質疑応答の方法をとり、その後討論を行うこととする。 また、作品集を発刊する。

 

2、 応募の範囲

 募集は会員以外からも行う。

 

3、 応募の手続き

 応募規程が決定しだい速やかに、会誌に掲載するとともに関係機関に周知する。

 

4、 本年度の委員会メンバー

主査:米田浩志 北海学園大学

幹事:佐藤 孝 北海道工業大学

幹事:植田 曉 NPO法人 景観ネットワーク

委員:赤坂真一郎 アカサカシンイチロウアトリエ

    遠藤謙一良 遠藤建築アトリエ

    小篠隆生 北海道大学

    鈴木 理 鈴木 理アトリエ

    木貴間 木貴間建築設計事務所

    大田 司 DAIDA DESIGN STUDIO

    本井和彦 竹中工務店北海道支店

 


2013.6 改正

 2006年度第26回北海道建築作品発表会報告

 発表会の方法について
 2006年12月1日、第26回北海道建築作品発表会が、北海道立近代美術館講堂において開催された。例年同様、学生のみならず多くの参加者が集まり、会場は通路まで人 で埋まるという盛況ぶりであった。この発表会では、毎年自由応募によって集まった30〜40作品前後が発表されている。筆者が実行委員会のメンバーとして発表会の運営 に関わるようになって7年になるが、これまで実行委員会において、どのような会のあり方にすべきかについて、様々に議論がなされてきた。自由応募の発表会ではある が、可能な限り内容ある議論のできる場でありたいという思いが実行委員会にはあったため、一時期までは、第1部:全作品の発表、第2部:フォーラム(数名が壇上に 上がってのディスカッション)という形式を採ってきた。この場合、第2部においては、実行委員会が事前に興味深い作品を数点ピックアップしておいて、ディスカッシ ョンのテーマもある程度想定していた。
 しかし、この形式で行う場合、@参加登録費に比して1作品あたりの発表時間が短くなる、A実行委員会に作品を選別する権限がそもそもあるのか?、B参加登録費が一律であるにもかかわらず、第2部にピックアップされるかどうかで参加者に不公平感が生じる、などの少なからぬ問題を抱えてもいた。また、せっかくディスカッションの時間を設けたにせよ、全体の時間が限られているため、第2部は結局30〜40分程度という中途半端な時間にならざるをえない。事実、それは充実した時間というよりは、議論し尽くせないフラストレーションのようなものの残ることが多かったように思う。また例年、あまり顔ぶれの変わらないメンバーでのディスカッションに(結果として)なってしまうきらいがあり、仲間内での“サロン”的な空気を醸し出しつつあったことも否定できないだろう。
 そのような経緯もあり、3年前に発表会の形式を大きく方向転換した。それまで実行委員会がこだわってきたフォーラムの時間を思い切って削除し、文字通りの“発表 会”にすることとした。具体的には、次の通りである。
1−最初の30分、全作品の図面・写真をプロジェクターでフラッシュで流す。その間、会場からは、質問したい作品について、質問票に記入してもらう。
2−全作品の発表。1作品あたり発表5分、質疑2分。質疑は、質問票に書かれた内容を基本とする。以上。
 実にドライである。間に一回休憩を挟み、4時間半近くに渡って各作品の発表が淡々と続く。しかし以前の方法のように、各作品の発表時間を削ってまで中途半端な議 論の時間を捻出するよりは、こちらの方がはるかに健康的なようにも思われる。
 ちなみに今回から、作品発表会にエントリーされた作品は、同時に、北海道建築賞への推薦に対する参考作品とみなされることになった。その意味でも、発表会自体が フラットな場となったことは適当なのかもしれない。
 作品発表会では、応募作品をコンパクトにまとめた作品集を発行・販売もしており、その年々の北海道の建築の状況を俯瞰するための絶好の機会であることは間違いない。今後も、発表会の方法について、様々な検討がなされていくであろうが、しかし、現在の北海道に本当に必要なのは、やはり“外部からのクリティカルな視線に晒さ れること”なのではないか、とも思われるのである。
山田深/室蘭工業大学

「建築雑誌」2007年3月号掲載