北陸の建築やまちに関する各種情報をお届けするウェブマガジン[AH!]



⇒ 一覧に戻る
Vol.53 - 2016/01/06
《from 富山支所》
「集合!みんなはたてもの探偵団」報告 

秋月 有紀/富山大学人間発達科学部人間環境システム学科 准教授


 身近な建物や町並みに興味を持ちながら、都市の安全・防災・防犯を考えることを目的に、小学生2年生〜6年生を対象とした町並み探検のワークショップ「第11回集合!みんなはたてもの探偵団」を、去る2015年10月12日(月・祝)に富山市で実施した。参加した小学生は2年生1名・3年生1名・4年生4名・6年生1名と、建築学会関係者10名、富山大学学生5名の合計22名であり、秋晴れの気持ちの良い天候の中、街並み探検を行った。当初は小学生の参加を12名で計画していたが、三連休の最終日だったこともあったせいか、キャンセルが多発した。一方、見送りにきた付き添いの子供の当日申込みもあり、最終的に合計7名の小学生が参加した。
 会場である富山大学人間発達科学部第2棟211教室に9:30に集合し、まずは大人も子供も安全ベストを着用した。富山市の町並みや防災対策などワークショップの全体説明を行い(写真1)、その後4つの班に分かれて、探検を行う地域の特徴や予想されるハザード、探索ルート(見学やヒアリングする施設や建物)などの詳細説明を行った。そして10時過ぎには、デジタルカメラ・筆記用具・弁当などを持参して富山市内の4箇所の探検ルートに向けて出発した。


写真1 安全ベストを着用して4班に分かれてワークショップ開始

 4つの探検ルートは、@富山市消防局〜五幅公園〜五福交番(写真2)、A岩瀬(写真3)、BTOYAMAキラリ〜富山市役所〜北陸新幹線富山駅(写真4)、C富山消防署中分署〜環水公園〜北陸新幹線富山駅(写真5)である。
 各班とも、安全確保と写真撮影補助のため、建築学会員や富山大学学生が付き添った。ヒアリング先では、地域の安全・防災・防犯や町並み景観にどのように取り組んでいるか、子ども達が直接関係者に質問し、はしご車試乗など様々な体験を行った。北陸新幹線は2015年3月14日に開通し、整備された富山駅南側や駅舎の見学、グランクラスなど特別車両の見学を行った班もあった。また、ガラス美術館と富山市立図書館を含めた複合建築物TOYAMAキラリが2015年8月22日にオープンしたばかりだったので、建物見学を兼ねながら安全防犯対策について勉強することができた班もあった。


写真2 富山市消防局で40mはしご車試乗:@班


写真3 富山港展望台から眺める東岩瀬の町並み:A班


写真4 TOYAMAキラリの吹抜空間でインタビュー:B班


写真5 富山消防署中分署での座学:C班

 13:30頃に全員が無事に会場に戻り、約2.5時間かけて、探検ルートで収集した写真やヒアリングメモを駆使して、班毎の防災探検マップ(A0版)計4作品を完成させた(写真6、写真7)。


写真6 集中して探検マップを作成


写真7 小学生1人だけの班でしたが頑張りました

 16時からは、迎えに来られた親御さんたちの前で、班ごとに楽しくマップの発表会を行った。最後に記念品として、富山大学芸術文化学部渡辺雅志氏の作品(木製モビール)と日本損害保険協会からの参加賞(方眼紙ノート)を参加した小学生全員に渡し、集合写真(写真8)と班ごとの写真(写真9〜写真12)を撮影した後、17時に成功裏に終了した。


写真8 全員による記念撮影


写真9 安全建物研究隊:@班


写真10 安全安心町並み探検隊:A班


写真11 知りつくそう!防災のひみつ:B班


写真12 防災探検隊:C班



Copyright(C)1996- Architectural Institute of Japan/Hokuriku Branch. All Rights Reserved.