第3回 環境心理尺度ファイルWG 議事録
                      (文責:若林)

日時 :2001.09.21(金)18:00〜20:30頃
場所 :東京大学工学部1号館1階11号教室
出席者:小島隆矢,宗方淳,室恵子,川井敬二,梶原泉,若林直子,秋田剛(順不同)
    古賀(オブザーバーとして出席)   


1.音環境の記述について (梶原)

 「うるささ」の記述では確立した方法論・使われ方があり、すでに法規制等にも使
われているが、それ以外は確立されておらず研究対象となっている。
 その場で聞こえる音の名前を挙げてひとつひとつを「音事象」として分類し(例:
交通音、サイン音)カウントする、というスタイルの研究がある(木村→川井→梶原)
。現在、修士論文で、音環境の記述に音の継続時間や空間的な布置を考慮すること
等を検討している。東京都港区や東大柏キャンパスでの調査事例を紹介。
  *資料:「音環境の記述に関するまとめ」


2.音環境評価研究の概観、用いられた尺度レビュー(川井)

 もっともボリュームがある分野は「騒音評価」で、音の不快感に関する評価研究に
あたる。「どのくらいうるさいですか」といった単一尺度が多い。「うるささ」と音
質との関係を見いだそうとする場合、音質評価尺度と絡めたSD法が用いられること
もある。
 一方、不快感などの目的変数をとくに設定しない評価研究として「音環境評価」が
ある。さまざまな方向性を持っており、今のところ尺度をはじめ研究の方法論につい
ては議論されていない。SD法が主として用いられる。
 なお、音環境評価でSD法を用いるというスタイルは、北村ら(1961)、曽根ら
(1962)等の音色(音質)の評価研究から始まっており歴史は古い。
 以下、既往研究の概観&尺度レビュー。
 ・「騒音評価」うるささ尺度や調査法について
    ・日本音響学会(アンケート項目案)
    ・ICBEN(国際共通尺度および質問様式の提案,九カ国語)
 ・「騒音評価」SD法を用いた研究例
    ・難波ら,Kerrick et.al.,泉ら,藤本ら
 ・「音環境評価」
    ・音環境から受ける印象:藤本ら,川井ら,唐木ら,梶原ら
    ・環境音の知覚    :宮川ら,阿部ら
    ・空間イメージ    :荘ら
    ・個別尺度法による印象:川井ら
 ・他
  *資料:「第3回環境心理尺度ファイルWG資料」他


3.その他 連絡事項

・新メンバー:秋田剛さん(電大)、山内先生(白百合女子大)
・環境心理展開※※WGにて「建築空間のヒューマナイィング」(書籍)を出版。
・「子どもの遊び環境」の評価について、仙田満先生(東京工大)に
 来ていただいて話をうかがってはどうか。
  :アンケート調査を30年程継続的に行っている。
  :大がかりな調査の企画もある(建築研究所の布田さんも関わっている)。
・音響空間の評価尺度について、上野さん(東大橘研)に
 来ていただいて話をうかがってはどうか。