第9回 環境心理尺度ファイルWG 議事録
                      (文責:小島)

日時 :2002.11.09(金)18:00〜21:00頃
会場 :東京大学工学部1号館 環境系ゼミ室
出席者:高橋正樹,小島隆矢,秋田剛,宗方淳,室恵子,上野加奈子
     (以上、委員。順不同)
     武藤浩(発表者)、槇究,山本早里(ゲスト)


1.「チェックリスト」を作成した研究事例について

●武藤浩氏(竹中工務店)をお招きし、武藤氏が過去に手がけたの中で
  チェックリストという形のアウトプットを行った4つの事例を紹介していただいた。
●4つの事例におけるチェックリストの名称は下記の通り。
    1)作業所安全標識の選択・設置・管理のための実例集
    2)壁面緑化のための計画・管理のためのチェックリスト
    3)汚れても魅力を維持する外壁デザインのためのヒント集
    4)建物性能評価チェックリスト
●チェックリストは、1)が建築現場作業者、2)3)が設計者向けに作成され、
  4)は改修計画支援のためお客様と建設会社の担当者が対話的に用いる
  ツールとして作成・使用されている。
●当WGの性格から、ユーザーとの対話に用いる4)の事例に関心が集中した。
  その概要は下記の通り。
    ・社内外関係者へのヒアリングに基づき、
     改修の動機となる顧客側が認知できる不具合(=要求品質)と
     改修対象となる部位・設備の性能・仕様(=品質特性)の
     品質機能展開表を作成。
    ・要求品質展開表に基づき、顧客が判断できる代用特性70項目程度
     (例:一人当たり床面積→「人の席の後ろをカニ歩きしなくても通れるか」など)
     を用いた絶対評価法の簡易AHPにより、問診感覚で改修計画を支援する。
    ・パソコンソフトを開発し、現在は営業支援ツールとして使用。
     すでに80件以上の実績がある。
●チェックリストづくりのポイントとして、下記4点が示された(武藤氏)。
    1)実際にチェックする人とつくる
     ・手間と時間、本当にできるか?
     ・FSと改良
    2)項目を網羅しようと思わない
     ・パレートの法則、短期記憶容量=7±2
     ・面倒そう≒使ってもらえない
    3)できるだけ具体的に
     ・事例写真、よい例と悪い例
     ・背後にある理由も説明(放っておくとどんな不具合があるか、など)
     ・曖昧な表現「外壁にやや目立つ汚れがある」など
    4)結果をどのように活かすか
     ・チェックすることが目的とならないように、次のステップは?
     ・意志決定者に分かる内容か?


2.その他 連絡事項

●来年度の体制について:
    「環境心理尺度実例ハンドブック刊行WG」という名称の刊行委員会に
    移行する手続きをとっている旨、主査より連絡があった。
●次回WG日程はあらためて調整することとなった。