近年、振動規制基準値と振動苦情との実態乖離が問題とされ、主に戸建て住宅の三成分振動特性解明が重要とされている。本委員会ではこれまで戸建て住宅を対象とした三成分振動特性測定・評価について十分な実態調査を実施して来なかった。しかし、性能評価から性能設計へ研究がシフトしていく中、第一段階として戸建て住宅の三成分振動特性の把握が求められている。また、そのための測定手法の確立も急務である。調査研究で得られた知見を他の小委員会と連携しながら生かし、人体知覚を考慮した評価や環境振動を主体に考慮した設計手法の考え方へ活用していくことを目指している。 本WGでは、戸建て住宅の三成分振動特性の測定手法の検討及び蓄積された実測結果から実態把握、特性解明を目指す。これらの結果を他の小委員会とデータ共有するとともに、環境振動に対する性能設計の考え方に資することを目的とする。
目的別の測定方法について調査整理を行い、測定手法の共有化を図った。
実測データの解析方法について議論しながら、戸建て住宅の振動特性性状の分析議論を行った。また、減衰定数の測定について議論した。
2010年度:収集したデータをもとに、家屋の振動特性を1/3オクターブバンド分析結果として整理した。SWGにおいて振動対策について事例を収集し、その整理方法、合意形成のための説明資料について議論を行った。成果の一部を環境振動性能設計ハンドブックに反映させた。 2011年度: ・戸建て住宅の三成分振動特性測定を計約110棟実施 ・振動対策事例収集、合意形成事例収集の実施 ・「環境振動測定結果記録シート」を作成し、今後の事例収集に反映
実測データの解析方法について議論しながら、戸建て住宅の振動特性性状を構造種別、振動源別等に分けて分析議論する。