審査委員長(互選) |
遠松展弘 |
審査経緯 本年の応募は和歌山大学・滋賀県立大学が新たに参加し、18大学、25作品であった。 どの作品も各大学を代表するもので高い水準にあったが、例年と同様にその質と量 においてばらつきが見られた。テーマ、内容が全て異なる25作品を審査するため、比較選定が難しいとの意見もあり、 a)各作品のテーマの切り口の妥当性、斬新さ、 b)テーマを受けた後の建築的展開力、 c)これらを魅力的に分かりやすく伝える表現力 の3点を共通の審査ポイントとし、本審査は2段階で行われた。 |
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第一次審査 上記の審査ポイントに基づき、各審査員がそれぞれ3作品を選定し、得票を得た9作品について、各審査員より選定理由を述べ、自由討議を行った。 |
第二次審査
9作品について討議の内容を踏まえ、各審査員が再度それぞれ3作品を選定したが、木谷審査員は2作品、遠松審査員は該当作品なしであった。遠松審査員より前年に比して、作品の質が低いのではとの疑義がだされ、優秀作品3点(以内)を選出という規定に拘らず、審査員が納得出来る作品を選定するとなった。得票を得た7作品についてテーマの妥当性、設計内容の完成度、表現力の高さについて再度討議を行った結果 、近畿支部卒業設計コンクール優秀作品に相応しいとしてNo.21を入選と決定した。 |
優秀作品 | |
審査概評 前年と比較して、質の高い作品が少なかったという印象を受けた。特に気になったのは全体の作品を通 して、審査員が異口同音に表現が暗いとの発言が相次いだことである。テーマの選定について「死」に関わるものが幾つかありネガティブな印象を受けたことにもよるがこの様な施設だからこそ、ネアカな表現もあるはずで、設計を志す若い人たちが建築をこのようにネガティブに捉えることに違和感を感じた。建築を作ることが大変な時代になってきたが、だからこそ作る喜びは大きいと私達は信じる。設計はその喜びを予感させるものでありたいし、建築設計の教育の場でもこのことを是非お願いする次第である。 No.25-A Home for Handshake-は高齢者と幼児の同居する施設を石切場跡に計画する案でそのテーマ性、敷地選定について共感出来るとする反面 、その建築が余りにも平凡であり、建築案によっては十分入賞出来ただけに惜しむ声が多かった。 No.22-生き甲斐を求めて「熊野中辺路体験館」も同様であった。 No.20-Larmes sur la mer、No.24-シティーシアターはコンセプチュアルな表現力に比して、建築の内容がありきたりとの指摘があり、選定されなかった。 (遠松) |
No |
作 品 名 |
学生氏名 |
大 学・学 科 |
図面 |
1 |
呼吸 |
佐藤栄里子 |
近畿大学建築学科 |
9 |
2 |
「舞台と人の間」 |
二川 徹 |
大阪市立大学生活環境学科 |
11 |
3 |
re島 |
和田裕介 |
関西大学建築学科 |
7 |
4 |
都市の遺(異)物 |
稲吉康弘 |
立命館大学土木学科(建設環境系) |
5 |
5 |
時間の中を歩く−楽譜から建築への変換− |
向井啓晃 |
和歌山大学環境システム学科 |
2 |
6 |
長屋増改築計画 |
河田 剛 |
大阪市立大学建築学科 |
1 |
7 |
緑の郷−多目的複合施設の設計− |
戸川賢木 |
摂南大学建築学科 |
6 |
8 |
Post−echo−地域媒体としての郵便局− |
小笹俊道 |
近畿大学建築学科 |
10 |
9 |
ヒャクノシンワ |
中井隆介 |
神戸大学建設学科(建築コース) |
12 |
10 |
Unite−羽曳野・古市古墳群サイクルネットワーク− |
高谷元規 |
大阪工業大学建築学科 |
8 |
11 |
青の記憶−Don‘t Forget it− |
江川容子 |
大阪工業大学第−部建築学科 |
6 |
12 |
CUTTING EDGE |
小川 元 |
大阪産業大学環境デザイン学科 |
3 |
13 |
「記憶の継承−わたしの分校・再生計画−」 |
須村みどり |
神戸芸術工科大学環境デザイン学科 |
4 |
14 |
現 −人間の青と時間の赤− |
高木文華 |
奈良女子大学人間環境学科 |
10 |
15 |
「片思ひの家」 |
家元あき |
京都精華大学デザイン学科 |
6 |
16 |
火葬場の風景 |
杉本耕造 |
京都工芸繊維大学造形工学科 |
15 |
17 |
京町家改修計画 |
永井華代 |
京都府立大学住居学科 |
6 |
18 |
「アクロス ザ ユニヴァース」 |
白石武志 |
大阪大学環境工学科 |
5 |
19 |
release−母親達の駆け込み寺 |
竹中むつき |
大阪大学建築工学科 |
6 |
20 |
「Larmes sur la mer」 |
高木舞人 |
京都大学建築学科(建築1) |
46 |
21 | Trace Memory −追憶の路をたどって− | 白波瀬智幸 | 神戸大学建設学科(都市コース) | 8 |
22 | 生き甲斐を求めて「熊野中辺路体験館」 | 村辻水音 | 大阪芸術大学建築学科 | 10 |
23 | 大谷町計画 | 篠崎弘之 | 京都工芸繊維大学造形工学科 (建築2) |
30 |
24 | 「シティー/シアター」 | 坂本英史 | 京都大学建築学科(建築2) | 8 |
25 | A Home for Handshake | 高橋万里江 | 滋賀県立大学環境計画学科 | 5 |
(受付順)以上25点 |