2010/02/21 13:39:17
期限付き建築物リユース小委員会 / Sub Committee on Re-using Structural Members
小委員会の目的
設置目的
地球環境の観点から、期限付き建築物は期限満了後に各種部材の再利用ができるように建設することが必要である。期限付き建築物WGは、そのためには先ず、構造部材の再利用手法の検討から始めるのが適当であるとした。本小委員会は、それを受けて、構造部材の再利用手法を検討するものである.小委員会の成果は啓蒙書としてとりまとめる。

The Temporary Building WG has discussed global environment issues in the design of temporary buildings, and recommended that the subject “method of reusing structural members for temporary buildings” should be discussed in the next sub committee. This sub committee will handle the topic and finally publish an instruction book for temporary building design.
委員会の位置受け
期限付き建築物の必要性がますます高まる中で、その期限後の処理が曖昧にされてきた。地球環境の観点から一つの解決策として、使用部材の再利用手法を検討することの必要性、緊急性は高い。
委員会は、先ず、構造部材を再利用する観点から、構造設計の基本方針を再検討し、設計に係る基本認識の転換の必要性を見極める。成果はできるだけ現実実行性のある形でとりまとめる。そのような作業は極めて新規性がたかい。
設置期間
2005年 3月 〜 2009年 3月
活動計画
多様な社会変化に経済的合理性をもって適応する期限付き建築物は,地球温暖化防止の観点にたてば、期限満了後の各種部材を再利用する必要がある。部材再利用のための条件や考え方を整理し、啓蒙書を作成する.
  • 2005年度:関連情報収集、関連キーワードの整理分類、目次案の作成
  • 2006年度:啓蒙書素案の作成、PD等による会員との意見交換の実施
  • 2007年度:啓蒙書素案の作成
  • 2008年度:啓蒙書の作成
期待される成果
啓蒙書の刊行。
これまでの各年度計画と具体的成果
(2004年度:期限付き建築物WG)
成果: 期限付き建築物WGでは、多様な社会変化に経済的合理性をもって適応する期限付き建築物に対し、地球温暖化防止の観点にたてば、期限満了後の各種部材の再利用ができない限りその建設は受入れられないとの結論を得、小委員会活動としてこの問題を取上げることを提案した。

(2005年度)
計画: 初年度は、期限付き建築物WGで結論付けられた「構造部材の再利用手法」の検討に着手する。
  • 既使用素材の性能評価法、仮設材の品質管理法、リユースの現状等情報収集
  • 構造部材のリユース関連キーワードの整理分類
  • 構造部材のリユースガイドライン(仮称)の目次案の作成
さらに、期限付き建築物に関する基本的な問題についての追求、検討を継続する。

成果: 使用期限を持つ仮設構造はもとより、地球環境の観点から建築物の各種部材は部材としてリユースする必要がある。材料の種類によって置かれている状況は異なるが、主構造体を成す強度部材はリユースする時点で性能が担保される必要があり、そのためには由来・履歴情報(カルテ)や再利用に対応した設計手法が不可欠である。今後新設される建物にはカルテを付与できるが、それを持たない既存建築物の部材も受容することは、社会システム上不可欠である。

(2006年度)
計画: 二年目に当たる2006年度は、昨年度に引き続いて以下のような項目について検討を進める。
  • 既使用素材の性能評価法、仮設材の品質管理法、リユースの現状等情報収集
  • 構造部材のリユースガイドライン(仮称)素案の作成
  • 期限付き建築物に関する基本的な問題についての検討
また、当初計画では2007年度に予定していた大会PDを繰り上げて実施し、これまでの検討内容を一般会員に向けて報告すると共に意見交換を行う。

成果: 使用期限を持つ仮設構造はもとより、地球環境の観点から建築物の各種部材は部材としてリユースする必要がある。2006 年度は、これまでに議論してきた成果を元に資料をまとめ、大会においてパネルディスカッション(以下PD)を開催し、一般会員と意見交換を行った。そのPD の意見からは、我々の議論が誤った方向に進んでいないとの確証を得た。また成果としてまとめる啓蒙書についても、現実社会に受入れられる実現性を持った提案となるよう、期待を感じた。

(2007年度)
計画: 三年目に当たる2007 年度は、これまでの活動成果を元に、以下のような項目について検討を進める。
  • 構造部材のリユースガイドライン(仮称)案の作成
  • 建築部材が繰返しリユースされる社会システムに関する検討
  • 期限付き建築物に関する基本的な問題についての検討
また、一般会員への情報提供および会員からの意見・提案受入れを行う双方向コミュニケーション手段としてホームページ開設・設置の検討を行う。

成果: 使用期限を持つ仮設構造はもとより、地球環境の観点から建築物の各種部材は、エネルギーの再投入を抑えて部材として再活用するべきである。この観点から2007年度は、昨年度の大会パネルディスカッションでの意見交換と、これまでの小委員会内での討論を元に、啓蒙書案の執筆に着手した。
また、小委員会の活動を一般会員へ情報提供するためにホームページを開設し、過去の活動や議事録について紹介を開始した。

(2008年度)
計画: 最終年度となる2008年度は、これまでの活動成果を元に、以下のような項目について活動を行う。
  • 建築部材のリユースガイドライン(仮称)の作成と修正・加筆
  • 建築部材が繰返しリユースされる社会システムに関する検討
  • 期限付き建築物に関する基本的な問題についての検討
また開設したホームページを活用して一般会員への情報提供を進め、会員からの意見・提案受入れを行う双方向コミュニケーション実現について検討を行う。

成果: 検討を進めてきた『(仮)建築部材リユースの手引き』の原稿が、完成した(査読中)。付随して、「建築部材が繰返しリユースされる社会」「期限付き建築物に関する基本的な問題」についても、現状および将来展望を整理した。また、学会サーバー内に開設した当小委員会のホームページを通じて、議事録の公開など、学会会員に向けて情報提供を行った。
期限付き建築物に関連して残る検討課題については、次年度新設の小委員会「期限付き建築物小委員会」に引き継がれる。

達成した成果
多数回の小委員会での議論を通じて、構造部材の再利用手法の考え方をまとめるに至った。(2005 年4 月設置、2008 年09 月末時点で34 回開催) 2006 年度大会時には、パネルディスカッション「期限付き建築物の再使用・再利用を探る−構造部材のリユースについて−」(資料あり)を開催し、小委員会の中間的成果について、会員と相互意見交換を行った。 2007 年度から、小委員会のホームページを学会サーバー上に開設し、議事録等を公開してきた。 2008 年度大会時には、研究資料「建築用部材のリユースに関するガイドライン(案)」を頒布し、小委員会の最終成果について、会員に広く意見募集を行った。 以上、小委員会で議論を重ねる一方で、その検討結果を一般会員に向けて情報発信し、より開かれた議論を通して書籍原稿(案)をまとめることができた。

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