2012/05/09
期限付き建築物小委員会 / Sub Committee on Temporary Building Structure
小委員会の目的
設置目的
都市空間の有効利用や、再生再構築エネルギー削減などを背景とした経済合理性を追及する立場から見れば、現行建築基準法が想定している仮設(1年)か、恒久か、2つの使用期限の枠は余りに懸け離れており、この極端な2つの枠の間にこそ、我々が求める建築の姿がある。期限付き建築物の考え方を進化させて、持続可能な社会の構築に相応しい、新しい価値観を提案する。

At the point of view of effective use of urban space and economical rationalization of re-construction energy, the period in The Building Standard Law of Japan is too far apart between temporary (1 year) and permanent. We provide a new sense of values for a sustainable society by evolving the idea of temporary building structure.
委員会の位置付け
期限付き建築物設計小委員会(-2002年度)が2002年度大会PD「性能設計と期限付き建築物」において提案した「期限付き建築物の構造設計ガイド(案)」を基に、期限付き建築物リユース小委員会(-2008年度)がまとめたに記された構造部材の再利用手法を加え、地球環境保全と人類の経済合理性追及を両立させる期限付き建築物の設計方針を取りまとめる。
設置期間
2009年 4月 〜 2013年 3月
活動計画
多様な社会変化に経済的合理性をもって適応する期限付き建築物について,その考え方をまとめた「期限付き建築物の構造設計ガイド(案)」(2002年度大会PD資料掲載)を地球環境保全の立場から見直して進化させ、啓蒙書を作成する.
  • 2009年度:2002年度に取り纏められた「期限付き建築物の構造設計ガイド(案)」の見直し。
  • 2010年度:地球環境保全や人類の経済合理性追及を踏まえた内容の検討。
  • 2011年度:一般会員との意見交換を目指した、パネルディスカッションの開催。
  • 2012年度:パネルディスカッションの結果を踏まえて、修正・出版。
期待される成果
建築基準法の枠に囚われない、近未来の設計手法として出版を目指す。
これまでの各年度計画と具体的成果
(2004年度:期限付き建築物WG)
成果: 期限付き建築物WGでは、多様な社会変化に経済的合理性をもって適応する期限付き建築物に対し、地球温暖化防止の観点にたてば、期限満了後の各種部材の再利用ができない限りその建設は受入れられないとの結論を得、小委員会活動としてこの問題を取上げることを提案した。

(2005から2008年度:期限付き建築物リユース小委員会)
成果: 期限付き建築物リユース小委員会では、期限付き建築物の期限満了後の各種部材を再利用するための条件や考え方を整理し、啓蒙書「建築部材のリユースマニュアル・同解説」を作成・出版した。これにより、地球環境保全と人類の経済合理性追及を両立させる期限付き建築物の検討を再開することとした。

(2009年度)
計画: 初年度に当たる2009年度は、2008年度まで活動した期限付き建築物リユース小委員会の成果を背景にして、2002年度に期限付き建築物設計小委員会によって取り纏められた「期限付き建築物の構造設計ガイド(案)」を見直す。
成果: 2008年度まで活動した期限付き建築物リユース小委員会の成果(「建築部材のリユースマニュアル・同解説」2009.10刊行)を背景にして、「期限をどのように考えるか」だけでなく「環境的側面」等についても幅広く議論を行い、2002年度に期限付き建築物設計小委員会によって取り纏められた「期限付き建築物の構造設計ガイド(案)」を見直すための、考え方の方向性について確認した。

(2010年度)
計画: 2009年度に議論してきた内容を基に、地球環境保全や人類の経済合理性追求を踏まえた内容について継続して検討を行い、2011年度に予定しているパネルディスカッションのための準備に着手する。
成果: 1.昨年度までの議論を踏まえ、経済合理性と地球環境保全を両立させる「期限付き建築物」の考え方について議論を深めた。 2.2011年度に開催を予定しているパネルディスカッション資料をイメージして、テーマごとに主担当者を決め、具体的な検討及び議論を開始し、パネルディスカッションのための準備に着手した。

(2011年度)
計画: 2011年度前半は、パネルディスカッションにおいて、配布を予定している資料作成を行う。後半は、パネルディスカッションによる一般会員との意見交換の結果を踏まえて、 (仮題)「期限付き建築物の設計マニュアル・同解説」出版に向けた準備に着手する。
成果: 1.昨年度までの議論を踏まえ、パネルディスカッションの資料を作成し、開催した。会場との討議の結果、関心の高さを伺える意見が多数示された。 2.パネルディスカッションによる一般会員との意見交換の結果を踏まえて、 (仮題)「期限付き建築物の設計指針」の出版に向けた準備に着手した。

(2012年度)
計画: 2012年度は、2011年度のパネルディスカッションによる一般会員との意見交換の結果を踏まえて、 議論・検討を継続し、パネルディスカッション資料をもとに、「期限付き建築物の設計指針」出版に向け、刊行物作成を行う。
成果:


日本建築学会常置研究委員会組織構造委員会 >仮設構造運営委員会 > 期限付き建築物小委員会