各種建築物の実測データベース(2020年12月)

日本建築学会 荷重運営委員会 建築物の減衰機構とその性能評価小委員会では、設計や研究活動において広く皆様方に利用していただけるよう、これまでに収集された各種建築物の減衰実測データを公開しています。ファイルはExcel形式です。

【注意事項】
・本データベースの利用にあたっては、データの選択や解釈など利用者の御判断により行っていただきます。また、本データの利用により生じた損害その他の不利益に対して、日本建築学会は一切の責任を負いません。
・本データベースを利用して論文その他の成果を公表する場合には、必ず本データベースを利用した旨を記載いただくようお願いいたします。

1. データベースについて
 「各種建築物の実測データベース」(以下、実測DBという)は,建物の減衰を精度良く評価する観点から,本会建築物の減衰機構とその性能評価小委員会が,各種建築物で実測された減衰データを収集・整理したものです。
 実測DBの収録データの内訳および建物数は,次の通りです。

@ 一般建築物 382 棟(内訳:S 造建築物 183 棟,RC 建築物 104 棟,SRC 造・CFT 造建築物 95棟,棟数にはEの 2011 年東北地方太平洋沖地震の観測記録も含む)
A 制振建築物 71 棟(内訳:一般制振建築物 57 棟,塔状制振建築物 12 棟,木造 2 棟)
B 小規模建築物 247 棟(内訳:木質構造 220 棟,低層鉄骨造 27 棟)
C シェル・空間構造物 55 棟
D 塔状構造物 153 棟(内訳:タワー24 棟,鉄塔 87 棟,煙突 42 棟)
E 2011 年東北地方太平洋沖地震における一般建築物 59 棟の観測記録データ(内訳:S 造建築物 13 棟,RC 系(RC 造,SRC 造)建築物 46 棟)

 上記@〜Eのうち、@一般建築物とD塔状構造物については、日本建築学会「建築物の減衰」(2000)の「実測減衰データベース」に、文献調査等による新たなデータの追加を(一部古いデータの削除も含め)行ったものであり、一般建築物、塔状構造物とも2000年当時の約2倍の棟数のデータを収録しています。それ以外のA制振建築物、B小規模建築物、Cシェル・空間構造物、E2011 年東北地方太平洋沖地震における一般建築物の観測記録データは、今回新たに作成、収録したものです。

2. データベース収録項目
 実測DBの収録項目は,次の通りです。項目順や内容はデータベースごとに多少差異があります。なお,以下の内容は,今後のデータ更新に伴い変更される場合があります。

《建築物・構造物の諸元に関する項目》
1)建築物番号
2)構造種別
 1)の建築物番号に構造種別の情報を含める形で記載しています。
3)所在地都道府県名
4)竣工年
5)階数(地上・地下・塔屋) ※シェル・空間構造物と塔状構造物のうち煙突・鉄塔を除く
6)軒高または構造物高さ  ※シェル・空間構造物を除く
7)基準階平面寸法  ※シェル・空間構造物を除く
 長辺×短辺の形式を標準とし、矩形または円形以外の形状を有する場合にはその形状を記載しました。(一部の小規模建築物は面積にて記載しました)
8)用途 ※シェル・空間構造物を除く
 用途が複数ある場合には主要な用途を記載しました。
9)制振装置種別 ※制振建築物のみ
10)仕上 ※シェル・空間構造物のみ
11)シェル・空間構造形式 ※シェル・空間構造物のみ
12)スパン・ライズ ※シェル・空間構造物のみ
13)基礎情報(種別・深さ) ※屋上鉄塔を除く
 基礎種別を直接基礎と杭基礎とに大別し、基礎種別とともに根入れ深さと杭先端深さ(杭基礎の建築物のみ対象)を併記しました。また杭長は、「杭先端深さ−根入れ深さ」より求めました。
14)設計値 ※小規模建築物、シェル・空間構造物を除く
 1次の固有周期と減衰定数を記載しました。

《実測情報に関する項目》
15)実測番号
 実測方法別に番号を付しました。実測年や時期が異なる場合、1から順に付しました。また、同じ実測において複数の減衰評価手法が用いられている場合や、振幅レベル別のデータについては、1a、1b...というようにアルファベット小文字を添えた形で番号を付し、データを区分しました。この場合、以下19)まで空欄としています。
16)実測方法
17)実測年または時期
 同一年に複数回の実測が行われている場合(主に地震観測)、カッコ内に実測年月日を記載しました。また、竣工半年以内における実測については「竣工時」と表記しました。
18)制振装置の状態 ※制振建築物のみ
19)固有周期(1〜3次の実測値)
 短辺、長辺、ねじれモードそれぞれについて記しました。小規模建築物は1次のみが対象で、シェル・空間構造物は高次のデータを一部含みます。
20)減衰評価手法
21)減衰定数(1〜3次の実測値)
22)振幅
 振幅値はrms値または最大値とし、短辺、長辺、ねじれモードの各1次の値を記載しました。ねじれについては、建築物の端部での値もしくは回転角を示します。
《その他》
文献情報などを備考として記載しました。

▼ 参考文献
1)日本建築学会:建築物の減衰,2000
2)日本建築学会:建築物の減衰と振動,2020

【実測DBダウンロード】

*実測DB 一括ダウンロード(zip形式圧縮ファイル)

@ 一般建築物データ ダウンロード(Excelファイル)

A 制振建築物データ ダウンロード(Excelファイル)

B 小規模建築物データ ダウンロード(Excelファイル)

C シェル・空間構造物データ ダウンロード(Excelファイル)

D 塔状構造物データ ダウンロード(Excelファイル)

E 2011 年東北地方太平洋沖地震における一般建築物の観測記録データ ダウンロード(Excelファイル)

 なお、日本建築学会「建築物の減衰」(2000) 当時の「実測減衰データベース」(一般建築物、塔状構造物)についても、以下からダウンロードできます。
*実測減衰データベース(2000) ダウンロードのページ


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