SAMPLE SITE

SAMPLE SITE

ミーティング ➊

目次

➊ 自己紹介

阿部:本日、成・白石さんは欠席です。 ミーティングは、太田・宮地・竹村・小野・雨宮・両川・川井・阿部でおこないます。 議題は2つです。ひとつは、研究会の目的と意義についてです。もうひとつは、研究会の活動計画についてです。 まず、研究会の目的・意義について、皆さんと話しながら、この研究会の目的・意義について共有したいと思います。 ぼくは、研究会に参加したことがないので、どうやって進めていくかわかりません。 とりあえず、この研究会では、各委員による報告会の開催と、その内容をホームページで発信することを目標としています。 ぼく自身が考えている、この研究会の目的・意義は、Slack上にアップしたPDFファイルの通りです。 では、まず最初に、皆さんがこの研究会でやりたいこととは何か、この研究会の意義とは何かについて、自己紹介を絡めて説明していただければと思います。

まず、ぼくから説明させていただきます。 ぼくは筑波大学の博士課程の学生で、現在は、山田協太先生の研究室に所属しています。 もともとは、芝浦工業大学の清水郁郎先生から指導を受けました。清水先生は、民博出身の研究者です。 その先生から、建築学と人類学を横断した研究領域について学びました。 その中で、「都市を飼いならす手法」に興味をもち、それをタイのクロントイスラムで研究しました。 ここでは、スラムと見なされるクロントイが、どのように形成されてきたのか、そのメカニズムについて、実測調査や、ヒアリング調査からあきらかにしようとしています。 また、研究にくわえて、建物をつくる実践をすることで、何か違うことが見えてくるのではないかというテーマから、研究および実践の2つに取り組んでいます。

この研究会に求めているのは、インフォーマル居住地というひとつのテーマで結びついた委員と話し合うことで、 これまでとは違う新しい見方が切り開けるのではないかと考えています。 皆さんと話し合いたいことは、インフォーマリティとは何かだったり、現地での実践がどのような役割をもつのかだったり、 論文にかけないリアリティの話や、アフターコロナの世界を生き抜く術とは何かを考えたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

太田:京都大学で助教をしております。研究会の幹事を務めさせていただきます。 研究テーマは、インフォーマル居住地をフィールドとして研究をはじめたわけではありません。 京都の歴史的市街地で研究をはじめました。 あらかじめ想定されたイメージではなくて、そこに住んでいる当事者が、個人的にも集団的にも、価値と捉えられている認識について、 対話をつうじて、都市・地域構造の関係の中で描いていく、介入方法について考えています。それを「描画対話法」とよんでいます。これがテーマ1です。

その後にジャカルタの都市カンポンに出会いました。対象であるカンポン・アクアリウムは、2016年に州政府によって、不法占拠を理由に強制立ち退きされました。 しかし、現在の州知事が就任した後、居住復帰が認められました。いまは、仮設のシェルターが建っています。これから、新しい居住再建に向かっているところです。 州政府が供給した新しいシェルターに住む居住者に対して、対話をもとに、彼らが価値づけていることだったり、 どのような価値基準に基づいて行動しているのかを描き出そうとしてます。このカンポン・アクアリウムと似たような事例が、台北の集落にもあります。 10年前くらいに、不法占拠を理由に撤去されました。 しかし、台湾大学などにより、その居所文化を再評価しようということで、すぐ隣にコーポラティブ形式の住宅を再建していまして、今その建設が進んでいます。 この新しい住宅に変わっていく中で、どのように彼らが居住空間を、部分から秩序付けていくのかについて、自己組織化について追求しています。それがテーマ2です。

テーマ3は、文化財としての近代建築の評価にくわえて、当初の役目とは違う形で地元に使われている、形に残りづらい価値と言うか、 使われ方の価値というもの含めて、重層的に評価する研究です。 番組小学校の活用に7年ぐらい関わっています。地域づくりという観点から、立体的に、客観性をもって評価できるのではないかを考えています。

この委員会でやりたいことは、阿部さんが作ったレジメに大体書いてあるかなと思いますが、 皆さんは、世界各地のいろんなフィールドで研究されているので、リアルタイムな情報を知っている方々がたくさんいると思います。 論文という形だけではなくて、いろんな形で現場の情報について話し合えればいいなと思っています。

宮地:京都大学で修士を卒業して、博士からは地球環境堂というところで博士を取り、そこで助教をしております。 この研究会に参加した経緯として、太田先生と白石さんから紹介してもらいました。 私の研究としては、災害後の住宅再建をテーマとしています。 対象地は、バングラデシュ、フィジーです。今年から、イタリアを始めるつもりでしたが、コロナの関係で、1月以降行けていない状況です。

プロフィールにこれまでやったことを簡単にまとめています。 バングラデシュは1971年に、フィジーも同じくらいの年に独立しています。 バングラデシュでは、独立前からサイクロン災害が多かったので、サイクロンシェルターという避難所作ってきた経緯がありました。 いわゆる外部支援に依存した、箱物支援でして、避難所が適切に運営されていないことが課題でした。 たとえば、サイクロンシェルターや避難所に避難しない要因として、宗教的な課題や、ジェンダーの問題などがありました。 その中で、住民がしっかり管理できるようなサイクロンシェルターを作っていく流れが出てきています。 住民参加がどれくらいできているのか、住民参加によるプロジェクトをNGOと連携しながらいかに確立していくのかを研究課題にしています。

バングラディシュが外部支援依存型だったのですが、フィジーでは、それとは全く逆の住宅再建・防災のあり方を研究しています。 フィジーに限らず、南太平洋地域では、コミュニティまたは住民同士の相互扶助による住宅の自力再建が一般的です。 サイクロン再開後に、自力再建がどれだけ進んでいるのか、それが耐災害性や住宅環境の快適性にどれだけ影響しているのかについて、博士課程では取り組みました。

イタリアでは、これまでの研究からさらに発展させ、仮設住宅について研究しています。 日本では、仮設住宅の3〜5年くらい住んで、次の復興住宅に移ります。 イタリアでは、壊れてしまった住宅を完全に再建して、そこに戻ること前提に、仮設住宅が使われます。 だいたい10年ぐらいそこに住むので、ほとんど恒久住宅のように作られています。 その住まい方について、1月にプレ調査をしてきたのですけれど、今後どうするかを検討しています。

これまでの研究は、すべて農村集落でやっているので、どこまでがフォーマルか、どこまでがインフォーマルかが難しいとこです。 バングラディッシュでは、土地なしの最貧民層の人たちに対して、住んでいた土地の所有権を政府が貸与したという形になっています。 そういう意味では、農村ではあるのですが、研究会で議論するテーマに合致してるのかなと思います。 その辺も踏まえて色々ディスカッションできればいいなと考えています。

竹村:東京大学の清家剛研究室で、構法や建築生産の研究をしています。 博士課程の竹村です。学部では、東大の建築を卒業し、修士からは、社会基盤系が集まる新領域創成課に所属しています。両川さん、雨宮さんと同じ所属です。

私は、学生が実際に何かを作って競うエネマネハウスなどのコンペをやったり、学生が実践しながら、被災コミュニティだったり、 インフォーマルコミュニティに行って、教育を受けるデザインビルド教育とか、パブリックインタレストデザインに興味をもちました。 インターンでポートランド大の著名な先生に弟子入りして、その御縁で、現在フィールドとしている、フィリピンのスラム居住者の再定住地で活動しています。 プロジェクトが始まって、4年ぐらいかけて、再定住地にコミュニティキッチンを作る活動を初めて、この間ようやく完成しました。 また、再定住地の居住者の増改築実態の研究をやっています。 研究から実践というよりは、実践からスタートして、それに合わせてコミュニティの研究も一緒にやるというスタイルでやっています。

再定住地なので、フォーマルな居住地ではあるのですが、行けば行くほど、インフォーマルな増改築が進んでいます。 インフォーマルな転売が行われ、住んでいる方々も、元の受益者ではない人が増えています。 再定住地は、インフォーマル居住地ではないのですが、どんどんインフォーマル化が進んでいる実態があります。 そこから、再定住地がインフォーマル居住地とどうちがうのか、共通性はあるのかを、研究会で学んでいけたらいいなと思います。 また研究と実践のバランスのとり方について、勉強させていただければと思います。

小野:豊橋技科大の講師をしています、小野です。 私は、東大都市工の大西・城所研究室で、国土計画とか、国際都市計画とかをやっている研究室に所属していました。

卒論の時から、ザンビアのルサカをフィールドに、インフォーマル市街地の研究をしてきました。 卒論・修論とルサカで研究していて、博論の時にナイロビとダカールを追加しました。 研究室を持った後は、学生をアフリカに全員連れてくのは、金銭的にも負担が大きいということで、 近場のインド・ムンバイに手を出したり、ルワンダのキガリを対象としています。 いろんなフィールドを比較することが、うちの研究室の特徴かなと思っています。

フィールドに行ってみて、その特性からテーマが浮かび上がってくることもあります。 昨年、キガリで、卒論を書かせたのですが、もともとはパブリックスペースの研究をしようと思い、 調査計画を作ったのですが、実際に行ってみると、パブリックスペースの研究は合わないので、エリアマネジメントの研究に切り替えました。 テーマは柔軟にやっています。

卒論では土地所有に関心があって、空間の形態とその使い方が、土地所有とガバナンスで説明できると仮定し、その検証を博士までやっていました。 都市計画が専門なので、いろんなインフォーマル市街地の空間的な分布とか、空間的形態は全然違うので、これをどのように説明できるのかを、 都市計画制度と土地制度から説明しようとした研究もあります。

ムンバイのダラヴィでは、カースト制度によって、生業が固定されています。 生活の場と、働く場が密接につながっているので、インフォーマルエコノミーと居住環境の関係性について、昨年は研究しました。 研究手法として、参与観察やアンケート調査など、フィールドを重視しているのですが、実践よりも理論に関心があります。 インフォーマル化が、今の時代にどのような意味があるのかについて、自分の中に答えを出したいなと考えています。

雨宮:雨宮です。多分圧倒的にこの中でおっさんなのではないかと思ってます。もう40歳になりました。 東京大学の大野秀敏先生の研究室を卒業して、新領域創成課の環境学を学び、シーラカンスで4年ぐらい実務をやりました。 その後独立して、自分の事務所を10年ぐらい主催しています。

その後、首都大の助教とかやったんですけれど、2012年から、岡部明子先生に声をかけてもらって、ジャカルタのインフォーマル集住地のプロジェクトに参加しました。 そのときは、村松伸先生や志摩先生と一緒にやっていました。そのプロジェクトを8年ぐらいやっています。 僕は、研究者としては、二流、三流でして、論文もちゃんと出せていません。 どちらかといえば、優れた研究者のチームの中で、設計ができるやつということで参加しています。ジャカルタでは、2つぐらいの建築を設計をしました。 その流れで、岡部先生と一緒に、アルゼンチンのインフォーマル地区で、建築を作ったり、 パブリックスペースを作ったり、手すりを作ったりなどの提案に関わっています。

この研究会に期待するところは、僕も8年ぐらいインフォーマル地区で活動してきて、いろんな国で、面白いことをやってる人がいるのですが、 横のつながりというか、プラットフォームみたいなところがないなぁと感じていました。 あまりメインストリームではない、日本の建築界で認知されていない領域なので、ジレンマがありました。 いろんなところでプラットフォームを作って、勉強できるといいなと思ってます。 その先に、途上国とか、インフォーマルでのプロジェクトが、日本にいる人たちから見て、どのような意義があるか、 共通の視座で、どういう風にアピールできるのかを、この研究会から発信できればいいなと思っています。

両川:雨宮さんと同じで、岡部明子研究室所属です。今年から博士に入りました。 僕が主にやっている研究としては、学部時代に、ラテンアメリカのエクアドルに1年ぐらい滞在しました。 2016年に震災があり、被災地での震災復興のプロジェクトに参加しながら、調査をつづけています。 僕は、もともと貧困地区だったり、インフォーマル地区とよばれるチャマンガという漁村で、政府が進めた再定住政策の実態と、 その裏で、住民たちが、住む場所や、働く場所を確保していたのかを研究していました。

修士では、国内の小さな集落の調査もしていたんですけれど、一昨年ぐらいから、コロンビアのペスカドレス地区という、 カリブ海側にある都市のインフォーマル地区で調査をしています。 調査自体はそこまで進んでいないのですが、これから博士課程で研究したいなと思っています。 主に土地所有だったり、共同体レベルでどのように生活圏を維持しているのかということを調べたいと思っています。

はじめて委員会に参加するのですが、インフォーマル居住地に興味をもってやってきたのですが、似た分野の方々が、一堂に介する場所はこれまでなかったと思います。 せっかく色々な国とか地域で研究されている方々がいるので、研究方法の違いだったり、地域ごとの違いだとかを勉強できればと思います。 タイムリーなところだと、コロナウイルスの問題があると思います。 僕自身も、こういう研究をしてから、平時−非常時の両方を体験する状況なので、そういう場合での研究手法や捉え方を勉強できればと思っています。

阿部:生活圏とはどういう意味なんですか?

両川:定義されている人によって意味が違うかもしれません。 僕としては、日常的に買い物に行くとか、地域の人と会うとか、仕事に行くとかという圏域だと考えています。 あと、離れた場所でも定期的に行くような場所も含めてと生活圏と捉えて、今後研究していきたいと思います。 たとえば、コロンビアだと、もともと農村部に住んでいた人々が、国内の紛争によって土地を追われて、 周縁部にたどり着いた人々が、ペスカドレス地区の住民の大半です。 ペスカドレス地区だけで生活していくのもひとつの選択肢ですけれど、もともと住んでいた農村部にも繋がりを持ってて、 両親を残してきただとか、子供を残してきたとかのケースもみられます。 それも含めて 生活圏として、都市−農村の連環として、今までの生活を動的なものとして捉えられないかなと考えています。 ただ、まともな調査ができない状況下で、今後はどうするべきかを考えています。

川井:川井です。よろしくお願いします。滋賀県大の布野修司先生の研究室で、博士課程を出ました。 その後、北京の設計事務所で2年間仕事をして、東京理科大の助教として勤めて、滋賀県大で教鞭をとっています。 主な研究としては、中国・北京を舞台に研究をしています。成くん大学院生の時から研究を進めています。 ひとつは、大雑院という旧市街地に幅広く残っている四合院が、歴史的な経過の中で、所有が複雑化していき、 半ばスラムのような状態に陥っているエリアを重点的に研究を進めました。 もうひとつは、城中村研究で、旧城エリアから、少し外れた場所にある、インフォーマルなエリアを重点的に調査しています。 化石営地区というところで、中心市街地から近いエリアの城中村を中心に研究しています。 大雑院研究は成くんが中心となって、城中村研究は私が進めています。

これらの研究成果をふまえて、Zayuan というリノベーションプロジェクトを、北京で活動している建築家である松本さんと一緒にやっています。 彼は、大雑院でのリノベーションをいくつか手掛けていて、研究室と協働したリノベーションを実験的に進めています。 最近は、研究からプロジェクトにシフトしながら、プロジェクト型の研究を進めています。

その他は、メコンデルタのプロジェクトをしています。 それは、災害対策建築ということで、河川の増築に対応した建築のあり方について、実践的にプロジェクトとして動かしています。 これは、ホーチミンで建築設計事務所をされてる、西澤さんという建築家と一緒に、プロジェクトを進めています。 また、インドのブッタガヤにある、アウトカーストの村で、女性のための糸つむぎの工房の建設が着工直前でしたが、コロナでストップしています。

皆さんと問題意識はすぐ近いと思います。 フォーマルとか、貧困の問題とか、途上国の課題に対応した建築のあり方とか、自分としては積極的に関わってきたのですが、 ディスカッションする場が少なくてやきもきしていました。 今日の自己紹介だけで、ワクワクしているので、そのあたりの問題意識を共有しながら、この研究会に関われたらいいなと思います。

阿部:大雑院研究と城中村研究は、別のものとして解釈するべきですか。

川井:かなり近しい部分はあるんですけれど、どちらかといえば、大雑院は、歴史文化地区の中にあるスラムで、中心に近い場所にあります。 対して、城中村は、かつて農村だったところが、都市に飲み込まれていく中でスラム化していったということで、成立背景が違うかなと思っています。 自分としては、今のところセパレートして考えています。

➋ 研究会の目的・意義について

プラットホーム

阿部:先程の自己紹介の中で、研究会の目的・意義について、興味深いキーワードがいくつか出ました。 それらのキーワードから、今後の研究会の方向性について、話を深めていければと思います。

まず、研究会の意義のひとつとして、プラットフォームとしての機能があると思います。 世界各国のインフォーマル居住地を横断しながら議論する場を用意し、その知見を外部に発信する場は、これまでなかったのではないかということですね。 もうひとつは、雨宮先生が指摘していたように、この知見を、インフォーマル居住地のみならず、日本にどうやって適応するのか、 どのように還元するのかを検討する場にできることがあります。

川井:雨宮さんのデザインビルド教育は、インフォーマル居住地でのプロジェクトを進める上で、ひとつのキーワードになると思います。 これは、日本の建築教育のあり方への批評でもあると思います。テーマのひとつとして、デザインビルド教育はやってほしいと思いました。

阿部:僕自身もデザインビルド教育に興味があります。 ただ、教育というよりは、観察者という立場ではなく、実践者として関わることで何が見えてくるのか、僕自身が何を学べるのか、 そして現地での実践プロジェクトが、現地の人々にどのような影響をおよぼすのかに関心があります。 僕自身も、デザインビルド教育は、テーマのひとつにしたいです。

太田:プラットホームというからには、実践とか、教育のシェアも重要ですけれど、研究会以外の研究者・実務家との繋がりも広げていきたいですね。 このような集まりがひとつできることで、そこに新たにくわわりたいと考える研究者・実務家もたくさんいると思います。 とりあえず2年間としてやっていきますけど、もう少し長くやっていけたらいいなと思います。

阿部:小野先生が参加された、『アジア・アフリカの都市コミュニティ』の本があったと思います。 インフォーマル居住地研究者同士の横のつながりという意味では、あの本は、うちの研究会に通じるものがありますよね。 あのグループでの研究はつづいているのですか。

小野:あれは研究会とかではなく、本を書くぞということで、城所研究室の関係者が集まって書いた本です。 その意味では、繋がりはあるのですが、あの研究室内で研究を共有する文化がなく、蓄積がされていませんでした。 本当は、そこで蓄積がされていればいいのですが。その意味では、この研究会に意味があるのかなと思います。

阿部:小野先生は、あの本に欠けていた部分について、何かご意見ありますか。

小野:私自身が、実践というより、研究・理論よりだからこその視点なのですが、個別事例に終始していて、普遍性とか、個別事情の切り分けができてないとかですかね。 あとは、国際研究でありながら、ドメスティックな発信しかできていないというか、 インフォーマル市街地の研究は、国際的にブームではありますけど、数十年の蓄積をこの研究会で共有できたらいいなと思います。 ただ負担が大きくなるので、関心がある方もいれば、それもない方もいると思うので、そこをやるかどうかの判断は、個々でできればと思います。

阿部:川井先生の話にも関わると思うのですが、実践については、この本であまり触れられていなかった部分でしたよね。

小野:執筆者の半分ぐらいは実務に関わっている人たちでしたが、論文の形式で書いていたので、そういう部分には触れていなかったと思います。 先輩たちに、話を聞く機会があってもいいのかもしれないですね。コメンテーターとかで入ってもらうといいかなと思います。

両川:せっかく国際的な研究をやっているので、国内だけじゃなく、国外に発信するとか、 ドメスティックにならないようにすると、面白くなりそうだなと感じました。

川井:海外の実践者が増えている中で、日本に紹介する機会が少ないです。 中国人にも、インド人にもいます。彼らへのインタビューとか、日本に紹介することが大事なことではないかなと思います。

竹村:海外がらみでいうと、我々が現地に行っていると、フィールドでの活動のメインストリームは現地の人なので、 現地の人たちと専門家が活動することがインパクトとして大きいと思います。 その中で、私たちがわざわざ行く意義を、皆さんがどのように感じているのかということを話したいです。 文化的に、価値体系が違うからこそ、わざわざ現地に行くからこそわかること、 当たり前だと思っていることが違うからこそ見えることがあるから現地に行っていると思います。 一方で、現地で活動する中で、トラブルを起こしてしまうこともあるので、そういうことについて、皆さんがどのように感じているのか、 研究者・実践者がどう考えているのかを知りたいと思います。

インフォーマリティ

阿部:つぎに、インフォーマリティについてです。 個人的には、フォーマル/インフォーマルの2つの生活世界が存在しているのではなく、両者は密接に結びつき、混在しているというのが私の解釈です。 両川さんの自己紹介のキーワードに、インフォーマリティという言葉がありましたよね。

両川:インフォーマリティについて、私が初めて知ったのは、エクアドル・キトで開催された、Habitat IIIです。 そこで初めて、アーバン・インフォーマリティという言葉を知りました。 Ananya RoyというUCLAの研究者が、アーバン・インフォーマエイティという本を出していて、その切り口から、僕自身は研究に入りました。 そもそも、インフォーマリティは、フォーマルが、国とか、行政とかが定める制度の外側にあるものです。 たとえば、イスラム法にもとづく土地制度とかは、慣習法にもとづくものですが、近代国家はそれを排他しようとするのですが、 それがまだ残っていて、インフォーマルになったものだと解釈していました。 平たくいえば、フォーマルな制度の外側にあるものと理解していました。

小野:インフォーマリティが何かは、今ここでやるには重いテーマですよね。 そもそも、それが何かという結果をだすのが、この研究会のひとつのテーマではないですか。

太田:研究会のタイトルも、インフォーマリティから導くということで、うまく逃げていますよね。 フォーマルありきのインフォーマルだけではないことが、いろんな現場で起こっていますよね。 日本は、これまで教える側だったけど、逆に現地から学ぶ段階に来ている気がします。 むしろ、ジャカルタとか台北の方が進んでる気がしていので、彼らと一緒に活動することで、学ばせてもらっている立場で研究をやっています。

コロナウイルス

阿部:この研究会は、2020年に始まったということで、未曾有のコロナというテーマからは避けられないと思います。 平時/非常時で、コロナという非常時の状況下も考えるテーマですよね。 このコロナについて、研究会で検討したいことはありますか。

宮地:皆さんがこれからの調査をどうするのかを知りたいです。1年は現地に行けないと思います。 しばらく行けないからこそ、引いたところから、今までの研究を整理したりするタイミングにいいのかなと。 難しい話ではなくて、日々の研究をどうするかということを話せたらいいなと思います。 後は、インフォーマル居住地は、治安が悪くなりやすい地域だと思います。 それこそ、コロナが入ってしまったら、どんどん人が死んでいく地域だと思います。 そのときに、今までやってきた研究で、わかっていたことが、どのくらいそのままでいられるのか、 それとも全く違う環境になってしまうのかを、皆さんの対応を知れたらなと思います。 フィールドに入っていくときに、カウンターパートとなる組織だったり、向こうの大学だったり、 付き合いがある方々とどのように連絡を取り合っているのか、リアルタイムな情報をどうやって入手しているのかを知りたいです。

阿部:現地の状況について、情報を入手した人はいますか。

両川:現地の人とはちょくちょくやりあってますが、感染者が出始めたけど、まだよくわからないらしいです。 僕がフィールドにしている場所では、今のところ事例は出ていないそうですが、 ただ、3月の頭ごろ、コロナが流行る前から、自主的に隔離というか、外出自粛を始めていたそうです。 その後、政府の外出禁止令がでて、漁とか、農業とかもできない状況らしいです。

川井:北京の設計事務所の人とやりとりをしています。 北京の場合は、日本より2ヶ月くらい早く、旧正月あたりにロックダウンに入りました。 2ヶ月生活をする中で、宅配サービスが発達して、暮らしの中で人々が順応していっている状況があるみたいですね。 以外に快適というか、仕事に集中できる部分もあるのかなと思います。 インドのパートナーデリーに会社をもっていますが、彼女曰く、インドの場合は、感染したら有無をいわさずロックダウンをしているという状況で、 かなり強い都市封鎖をしていると聞いています。

雨宮:ジャカルタの人とも連絡を取り合っています。今のところ、向こうの研究者もフィールドに入れない状況らしく、どうしようかと悩んでるらしいです。 ジャカルタでのクラスターとかの情報はまだないみたいですけれど、感染が進んでいる可能性もあります。 岡部先生とも話したのですが、今後のフィールドとの付き合い方として、短期間の調査は難しくなるのではないか、 行くなら1年とか長期間じゃないと難しくなるんじゃないかといってました。 行って帰ってくるたびに、2週間ずつ隔離されちゃうと、1ヶ月も空白になっちゃうので、 1年に1回帰ってくるくらいの調査のあり方、プロジェクトの取り組み方になるんじゃないかといってました。

川井:我々教員からしたら、サバーティカルをいつ使うのか、そのカードを度のタイミングで切るかが大事だと思います。

雨宮:ある意味で、コロナのおかげじゃないですか。 今までジャカルタのスラムでやっていたときでも、それを日本にいながら共有するというか、地球環境問題とかに対して、 インフォーマル居住地は地球環境負荷が低いとか、共通項があるというんだけれど、そこに連関性を見出しづらかったじゃないですか。 しかし、途上国のインフォーマル地区で、コロナの問題が大爆発したら、結果的に、 こっちにも第2波、第3波がやってくる状況が、リアリティをもって浮上してきてますよね。 途上国のインフォーマル地区の問題が、先進国においても、隣の庭ではない話になりつつあるんじゃないかなという印象があります。 だから注目されるといいなと思っています。

川井:武漢でコロナが発生した市場もインフォーマリティが高く、衛生環境が悪い場所で出てきてると思うので、発生地としても考えられますね。

阿部:僕が調査しているタイ・クロントイでは、感染者がでたという話は聞いてないです。 ただ、僕たちがいつもお世話になっている現地のNGOの方々が、縫製業の技術を活かして、マスクを自主的に作り、地区の人に配っているそうです。 やはり、地域に根付いた組織があると、このような非常時でも対応がスムーズなのだなと感じました。

宮地:バングラデシュでは、感染者が全く把握できていない状況です。 把握できている限りでは、感染者数自体は多くないのですが、感染スピードはイタリアに次ぐくらいといわれています。 留学生が、3月頭から日本に帰れていない状況で、バングラディッシュの自宅にいてもらっている状況です。 ロックダウンがつづいていて、外出ができない状況です。ロックダウンの直前まで、情報収集をしてもらったんですけれども、今は自宅で待機しているそうです。 それだけ広まっている要因として、ストリートチルドレンとか、ホームレスとかがかなり多いので、 その人たちに外出自粛を求めても、帰る場所がなく、集団で住んでいるので、そこから感染が広がっているのではないかということで、 ホームレスの人たちがいるから、自分たちも外に出れないという状況がつづいていると言っていました。 もう少し追いついたら、現地の情報を拾ってきてほしいなと思っています。ただ、本人は一刻も早く日本に帰りたいという状況です。

私が対象としている農村地区では、ダッカからかなり離れた場所にあるんですけれど、その沿岸地区にまでコロナの影響が出ているそうです。 その辺で、避難所を建設していて、NGOが運営していたのですけれど、働いている人たちにも、自宅に帰るように促しているのですけれど、中々それも叶わないそうです。 また、働いている人たちへの給料をどうするかという問題も出てきているそうです。 PCR 検査を受け入れられるのは、お金をもっている人だけという状況で、もしコロナにかかっても、 自分たちは医療にはかかれないので、コロナに感染する=死という状況が続いていることは聞いています。

対照的に、フィジーとか南太平洋地域では医療施設が整っていないので、コロナに入って来られると医療が崩壊するため、 1月〜2月の段階で、海外からの渡航者は一切受け入れない方針を変えているそうです。 フィジーはその中でも若干緩かった方なので、感染者5〜6人がいる都市は、その時点でロックダウンしたそうです。 研究室では、フィジーだけでなく、サモアとトーマ?とバヌアツもやっていて、対象地を広げようとしています。 そこら辺では、感染者は出ていないので、私たちが行くことはできないんですけれど、国内から遠隔の調査を進められないかなと考えています。

小野:インドの話が先を出ましたが、強硬なロックダウンとなりました。 ダラヴィの住民の方々と連絡を取り合っているんですけれど、ダラヴィ自体が完全にロックダウンされていて、 面積が2k㎡で、人口が100万人ぐらいですが、外部につながる橋が封鎖されて、外に出られなくなっています。 皆さんもちろん自宅で暮らしていて、店も全部開いていないんですけれど、連絡を取り合っている人たちが困っているのは、 食べ物はソーシャルワーカーが配ってくれるんですけれど、現金がないことです。 店は平日の10時から2時の間だけ開いているので、お金があれば少しだけ買えるんだけど、外に出られないので、 ATMから現金が下ろせないので、米と小麦を送ってくれという、厳しい状況にあります。 5月3日にロックダウンが解除されるといわれているそうですが、たぶんダメだろうという悲観的な印象です。 電子マネーを使えるかといったら、GooglePayなどが使えるらしいので、送金できないかなと思ったんですけれど、日本からの送金はできないそうです。

川井:インドの件で思い出したのが、出稼ぎに来ている人たちが、農村に自力で帰ろうとして、途中で亡くなるケースがあるそうです。 公共交通機関がストップして、地元まで歩いて帰ろうと、インドの端から端まで帰ろうとする中で、亡くなってしまうそうです。

両川:小野先生のダラヴィのロックダウンですけれど、他の国だと、スラム住民側が入り口を封鎖して、スラムの中にコロナが入らないようにしていると聞きました。 一度入ってくると大変なことになるということで、自警的にやっているとニュースで見たんですけれど、 ダラヴィはどちらかといえば、行政が封じ込めようとしているのでしょうか。

小野:私は、行政が橋を封鎖したと聞きました。ニュースになってますけど、昨日の時点で150人がポジティブで、 10人が死亡と、規模は大きくないのですが、実態はなんともいえないと思います。

両川:エクアドルは、国としてはかなり陽性者が出ています。人口は1700万人ぐらいですが、感染者は1〜2万とかで、死者も何百人とか出ています。 かなり強硬な外出禁止令が出されているので、ラテンアメリカの中でも、エクアドルとか、ボリビアとか、メキシコで被害が大きいらしいです。

➌ 活動計画

阿部:研究会の活動スケジュールについて話しましょう。僕は研究会に参加したことがないので、どのように進めていけばよいのかわかりません。 雨宮先生は、若手奨励の研究会をやっていたそうですが、どのように進めていたのですか。

雨宮:僕らは、若手奨励の研究会以前から始めていました。 内部の委員からの発表ではなくて、毎回ゲストをよび、レクチャーを受け、議論をするという形式で、最初の1年を過ごしました。 2年目には、学会のシンポジウムをやりました。そこでまとめた冊子とフィードバックをふまえて、成果報告書をまとめました。 阿部さんがまとめたものとほとんど一緒です。成果報告書は、シンポジウムの冊子をベースにしたほうがいいです。 一般的な研究会だと、その他の先生方の論文を寄稿してもらうんですが、どのくらいのものを作るかは、研究会によって違うかと思います。

川井:「災害からの住まいの復興に関する共有知構築」の若手奨励のリンクを贈りました。 今後、石榑さんが、この研究会の報告書を送ってくれるといっていたので、内容について、スキャンデータで参照できればいいですね。 これは150部刷ったそうです。

宮地:その報告書に私も寄稿したのですが、寄稿者でも自分で買ってくれといわれました。

阿部:川井先生も委員会をやられているそうですが、報告会をひたすら繰り返していくというスタイルは、一般的なのでしょうか。

川井:僕の場合は、若手奨励とは違います。学術レビューというんですかね。そこでは、まったくそういうものはないですね。

阿部:アフリカ研究会では、報告会を繰り返す形式なのですか。それとも少し違う形式でやっていくんですか。

小野:私が代表なんですが、何も動いてません。この研究会とテーマがかぶっているので、一緒にできたらいいですね。 研究ベースの人も実践ベースの人も半々ずついます。アフリカだと、ほとんどインフォーマルな居住地なので。

阿部:うちの研究会では、他の委員がどのような研究をやってるかどうかもよくわからん状態なので、内部での発表を中心にやっていきましょう。 皆さんに送った資料の最後に、今後のスケージュールについて書いてみました。 とりあえず、研究会は3ヶ月おき、年5回程度を想定しています。 回数が少ないので、今日の打ち合わせで方針を固めて、すぐにでも報告会に入りたかったのですが、それも無理そうですね。 報告会の前に、もう一度打ち合わせを挟みましょう。 ここで考えたいのが、各報告会のテーマをどうするか、誰に発表してもらうか、誰と誰を組ますかについて話しましょう。

竹村:報告会というのはオープンにするんですよね。

阿部:オープンな形式で考えています。外部からコメンテーターをよぶのもいいですね。

竹村:委員の中で、テーマが近い人をまとめ、外部から人をよび、パネルディスカッションをするというイメージでよろしいですか。

阿部:そうですね。この際、同じ地域や国の人をぶつけるのでは面白くありません。 たとえば、竹村さんと白石先生は同じフィリピンを調査対象としていますが、 それを一緒にやってしまうとつまらないので、別々の国とか地域とかでぶつけたいですね。

竹村:報告会を繰り返す委員会では、月イチぐらいで会議を開き、3ヶ月に1回ぐらい大きなイベントをやるという形で回すんでしょうか。

雨宮:僕の記憶が間違っていたのですが、報告会は委員で回していましたね。月イチで各回発表して、レビュアーを設けて、感想を書く形式でした。 あと、六本木アートナイトのイベントに出しましたね。2年目は、学会のパネルディスカッションに向けた準備でしたね。真面目な委員会でしたね。28回もやってます。

阿部:学会のパネルディスカッションは、かなり早い時期に、前年度の11月ごろに申請しなければならないのですよね。

雨宮:その宣言は早めにしないと駄目ですね。内容が決まってなくてもやるといった方がいいです。目標がないとだめですね。 関東支部の計画系委員会の幹事をやっていて、井本さんが主査です。 それは、資料集成を作ることがひとつのタスクになっていて、あとシンポジウムをやるとか、イベントに向けて活動しています。

阿部:僕の計画案では、年5回程度を想定していましたが、もう少し会議の回数を増やしたほうがいいでしょうか。 もともと、予算の大半を委員の旅費として計上しましたが、テレビ会議でその費用を抑えられたので、会議を1〜2ヶ月に1回ぐらいに増やしても大丈夫でしょうか。

太田:活動計画を見ていると、各委員の発表は年内に終わらせた方がいいと思います。 1人の発表の長さが30分として、それを3人とかで回すと長いと思います。1回に2人が発表して、プラスコメントをする形にしましょう。 報告会の回数も増やして、2ヶ月に1回でもよいのではないでしょうか。

竹村:非常事態制限が解除された後は、皆で集まってやるのでしょうか。東大は、レベル3対応になっていて、授業はすべてオンラインです。 教員同士のミーティングもできません。レベル2になると、教員たちの学科の会議とかはOKになります。 この研究会では、最初の数回はクローズドの形で、Zoom上で月イチの話し合いをして、 大丈夫な状態であれば、外部の人を招いたオープンな報告会を、2人✕6回やるとか。 この1年は、もう集まれることはないだろうと想定して、すべてをオンラインでやるのか、それによって、やるべき時期が変わるのではないでしょうか。

小野:メンバーが全国に散らばっているので、対面でできるようになっても、オンラインの道を残した方がいいと思いますし、私も助かります。 今回の日程調整もかなり大変だったと思うので、やりやすくなるのではないでしょうか。

竹村:小規模な会議はすべてオンラインで、目標は2021年の建築学会で一堂に介するぐらいが万々歳ということでいいですか。

阿部:その認識で大丈夫です。今年は、全てオンラインで大丈夫じゃないですかね。 テレビ会議だと、発表とかも録画がスムーズですし、議事録をつくるのも楽です。ホームページでのコンテンツの公開もスムーズです。 そういう意味だと、今年1年で委員会の発表を一巡させ、外部の人をよぶときも、UTLを公開して、見ていただく形で大丈夫だと思います。 ただ、今年度の予算をどう使うかという問題があります。

竹村:それは委員の旅費ですか、それとも外部の人を招集する旅費ですか。

阿部:事務の人曰く、委員の旅費にしか使えないそうです。 たとえば外部への視察旅行だったり、外部から人を招くことに費用を使えないそうなので、使いみちは狭いです。

阿部:他に、報告会において、誰と誰を組ませたら面白いでしょうか。 僕が考えたグループだと、川井−成−阿部、小野−白石−宮地、太田−雨宮、両川−竹村です。 これ以外のグルーピングについて、何かご意見あるでしょうか。

川井:都市の村落化というテーマもやりたいのですが、実践の方にシフトしているので、そちらもできたらいいなと思います。 雨宮さんのクオリティに達してはいないのですけれど。

竹村:たとえば、川井先生には何回か登壇してもらうとか。研究編と実践編をやってもいいと思います。 土地所有などのフォーマル/インフォーマルを研究している人の話を聞いて、それに対する実践的な介入へと、何段階かに分けてもいいのかなと思いました。 3人で話したりすると、2時間くらいの回でも冷めるし、表面的なディスカッションしかできないと思います。 まず研究の方法論とか、アプローチとか、少し限定したテーマで話し合って、そのテーマから、実践をやっている人だったら、 実践をやっていない人にレビューしてもらうなど、厳し目のレビューがきそうな組み合わせにすると面白いのではないでしょうか。 今日決めるのは難しいかなと思います。 皆さんの話を聞いて分かったところもあるので、勉強不足だったのもあるんですけれど、同時に聞いてみたい組み合わせを考える回を挟んでもいいのかなと思います。

阿部:ひとりが複数回が発表できたらいいと思います。たとえば両川さんを実践に配置しましたが、研究にもすごい興味があります。 以前話したときにも、この委員会では、理論面について話したいといっていたので、可能であれば何回か発表してもらいたいです。

両川:この報告会は、自己紹介を兼ねてますよね。1人1周を早めに終わらせた上で、議論できればと思います。 軽くプレゼンして、質問とかができればいいですね。 もし回数が増えるのでしたら、自己紹介は別で、少しテーマをしっかり決めて議論してもいいのかなと思いました。 僕は、何回も発表するほどのデータを持ってないので、それは困ります。

宮地:私も、今日の自己紹介だけでは、どんな研究をされてるのか追いきれてない部分があるので、 早めに全員の発表を聞いて、ディスカッションで深めていければいいのではないでしょうか。

小野:自己紹介がてらやると、1回で10人をやると長いですね。 懇親会がてら、オンライ飲みでもしながら、1人10〜15分ぐらい発表して、だらだら話すこともいいんじゃないでしょうか。

宮地:スライドショーを見ながら自己紹介するのもいいかもしれませんね。

阿部:じゃあ10人を2回ぐらいにわけて、全体の発表を一回りさせましょう。その後、懇親会のオンライン飲みをやりましょう。

太田:ビジュアル多めの自己紹介と、フィールドを紹介して、何をやっているのかを知りたいですね。 今日は、口頭とPDFの文章だけだったので、写真をいっぱい見たいです。

阿部:じゃあ、次回の開催を早めに決めて、簡単なプレゼンテーションをへて、報告会の具体的なテーマを考えていきましょう。

太田:1回で決まらないと思うので、意見があったらSlackに文を上げてください。

阿部:委員会内の報告会とは別に、アフリカ研究会との連携についてです。 うちとしては、アフリカをくわえて、グローバルな議論ができることがメリットです。 その一方で、アフリカ研究会側としては、どのようなメリットがあるのでしょうか。

小野:こちらは地域しばりで、テーマは委員それぞれです。 井本先生は学校建設とか、市街地形成とか色々あるのですが、インフォーマリティに着目している人たちが多いです。 他の同じようなテーマの人と情報共有できることはメリットだと思います。 あと、留学生がいるので、一緒にやるとしたら、英語でということになります。

阿部:成果物として、ホームページを開設します。学会からドメインを発行してもらってました。 ただデザインがかなり古いので、作り変える必要があります。 今のところ、報告会の内容だったり、各委員の研究のアーカイブなどをコンテンツにしたいと考えています。 何か追加した方がよいコンテンツはあるでしょうか。

太田:川井先生がいっていた、現地の実務家との活動を紹介したいですね。