ブ ロ ッ ク 塀 の 仕 組 み

Bたて筋は、壁に作用する横力に抵抗する重要なものです。

 

  基礎から壁頂まで1本の鉄筋を曲げることなく配置します。  特に、基礎と最下段ブロックとの接合部には、曲がりやさび がよく認められますので、注意しましょう。また、たて筋は、  建築基準法並びに日本建築学会・ブロック塀設計規準の規定  を満足するように配置し、次の点に留意しましょう。

 

  A.基礎へ確実に定着する。

  B.壁頂部のよこ筋へカギ掛けする。

Cよこ筋は、壁体の長さ方向を強固に一体化するもので、控え  壁がある場合は、特に重要な役目をします。また、よこ筋は、  通常80cm以下の間隔で配置します。
Dかさ木は、塀本体へ雨水等が浸入するのを防ぎ、ブロック及  び鉄筋を保護します。かさ木は、壁体へ確実に固定します。 かさ木には、浮きや欠落がよく見られます。注意しましょう。
E控え壁(控え柱)は、塀の転倒に対する抵抗力を増すために、 長さ3.4m以内毎に設けます。控え壁にも鉄筋を配置し、塀 本体と強固に一体化します。また、塀本体と同じ堅固な基礎を設け、反対側への転倒に対する抵抗力を確保します。
F透かしブロックの多用は、壁体の強度を低下させます。特に、  連続した配置は、たて筋の適正な配置を困難にします。
G充てんモルタルは、鉄筋とブロックとを一体化させるもので、  強固な壁体を造るとともに、鉄筋を保護する役目を果たしま  す。鉄筋の周辺部にモルタルが密実に充てんされないと、塀  の強度低下や劣化を早めることになります。

A基礎は、鉄筋コンクリートで堅固に造り、塀本体と一体とな  って転倒しないように、40cm以上地中に根入れします。

  さらに、抵抗力の大きい形式の基礎として、L形,T形及び  鋼管杭打ち基礎などがあります。また、高い擁壁や石積みの上に設けられている塀は、基礎に粘りがなく非常に危険です。

  安全対策を講じて下さい。

@地盤は、塀全体を支え、基礎から一体となった塀の転倒に抵  抗する役目を果たします。従って、大きな支える力(地耐力)  が要求されます。特に、軟弱地盤のところには、大きくしっ  かりとした基礎を設けましょう。地耐力は、次のような簡易  法により、およその判別ができます。

・良質土:スコップを強く踏んでようやく掘ることができる。

・普通土:スコップに力を入れて掘ることができる。

・軟弱土:スコップで容易に掘ることができる。

 

ブロック塀の基準

 

ブロック塀の強さ

ブロック塀が瞬時に倒れないための最低条件は、建築基準法に定められています。さらに、日本建築学会では、建築基準法を補足するものとして「コンクリートブロック塀設計規準」を制定しています。

解  説

ブロック塀に横方向の力を加え引き倒した時の、横力(Q)と水平変位との関係をモデル的に示すグラフです。建築基準法を守った健全なブロック塀(イ)は、横力に対し粘り強く抵抗します。しかし、鉄筋の入っていないブロック塀(ロ)は、小さな横力で瞬時に倒壊します。