構造物のレジリエンス評価小委員会
小委員会の目的
設置目的
 建築構造設計では、経済性の観点と同時に、想定外の外乱に対する安全性を如何に確保するかが重要な課題である。ロバスト性や冗長性の概念は重要であるが、それらを包括する概念であるレジリエンスについて調査研究を行うことは有意義である。本小委員会では、想定外の外乱に対してもよりレジリエントで高い安全性を確保する構造設計について考える。これまでは、定性的な研究が中心であったが、定量化するための調査研究はほとんど行われていない。研究者だけでなく実務設計者との議論を通じて実際的な制約条件も想定した検討を行う。
委員会の位置受け
 レジリエンスは、構造物や都市・社会が地震などの災害を受けた状態から「回復する力」、あるいはそれらの外乱に対する抵抗力を意味する。応用力学運営委員会では2009-2013年に「構造設計における冗長性と性能最適化小委員会」を設置し、ロバスト性や冗長性が構造設計にどのように関係するかについて調査・研究を行った。新規小委員会では、それをさらに発展させ、より包括的な概念について調査・研究を行う。東北地方太平洋沖地震を経験した今、この概念の調査・研究は喫緊の課題である。
活動計画
  • 初年度:
     ロバスト性や冗長性の概念を包括する概念であるレジリエンスについて調査研究を行う。
     初年度は主にこれらの概念の関連などについて議論する。
  • 2年度:
     構造物のレジリエンスを定量化する指標について調査研究を行い、
     可能であれば具体的な構造物モデルについて適用した結果を示す。
  • 3年度:
     大会PDの開催を検討する。
  • 4年度:
     調査研究結果を取りまとめ、セミナー用資料として公表する。
  • 期待される成果
     委員会成果としては、4年目にセミナーを開催し、建築構造設計において重要な役割を果たす「ロバスト性、冗長性、レジリエンス」に関する内容を広く会員に公表する。

    日本建築学会構造委員会応用力学運営委員会 構造物のレジリエンス評価小委員会