コロキウム構造形態の解析と創生

コロキウム構造形態の解析と創生

Colloquium Analysis and Generation of
Structural Shapes and Systems

HOME

特別講演

講演論文

形態創生
コンテスト

参加登録

過去の
コロキウム

LINK

コロキウム構造形態の解析と創生2013 -colloquium 2013-

■ 開催主旨


近年の建築の設計プロセスにおける3D-CADやBIMの利用は、意匠、構造、設備、施工の連携を強め、また、これまで不可能であった複雑な形態の構造物も建設可能にしました。また、デジタル・ファブリケーションの技術は、今後建築のデザインを大きく変えるかもしれません。こうした背景のもと、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインの手法を用いた建築構造物の実施施工例が近年急速に増えています。これまで付加価値として捉えられていたこれらの手法は、今まさに現場で必要とされる技術となりつつあります。
本コロキウムは2006年度から毎年開催しており、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインに関する新しいコンセプトや最新のアルゴリズム、実務への応用の実態と課題、創生されたデザインなどが紹介され、活発な議論を展開してきました。本コロキウムは、今や構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインに関する情報発信源として業界における重要な役割を担っています。本年度開催する「コロキウム構造形態の解析と創生2013」においても、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザイン、デジタル・ファブリケーションなど、建築構造物の形態を創り出す為の理論、技術に関する最新の研究を手がける研究者、技術者が一堂に会して情報交換を行い、将来の方向性について議論することで、これらの研究・技術分野の今後の更なる発展に資することを目的とします。


<主催>
  構造委員会 シェル・空間構造運営委員会: 構造形態の解析と創生小委員会
  構造委員会 応用力学運営委員会: 構造設計・解析の最適化理論応用小委員会
  情報システム技術委員会:  アルゴリズミック・デザイン応用小委員会

開催期日 2013年10月31日(木), 11月1日(金)
開催場所 建築会館ホール

コロキウムの内容

□ 特別講演

特別講演は初日に行われ、株式会社くいんとの石井惠三さんとNoiz Architectsの豊田啓介さんが講演されました。
講演題目は、石井惠三さんが『有限要素法・CAE・構造最適化とソフトウェア』、豊田啓介さんが『拡張する建築:建築の情報性』でした。
プログラム


□ 一般講演

一般講演は、2日目に行われ、23題の研究発表が行われました。
プログラム

□ 優秀講演表彰

優秀講演選定委員会(委員長:岡田章)の厳正なる審査の結果、今年の優秀講演が下記の2講演に決定しました(敬称略、発表順)。発表者には表彰状が送られました。

藤田直人(広島大学)
  「ひずみエネルギー最小化による安定性を考慮したテンセグリティーの自己釣合形状決定法」

平野伯恭(名古屋大学)
  「遺伝的アルゴリズムによる鋼構造物の構造創生支援に関する研究
   −部材断面とブレース配置の同時最適化−」

□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨> 
建築の空間や工芸品の形は作者が審美や思想を満たしながら、求められる機能や役割の実現を図るべきである事は言うまでもありません。「形態創生」は空間あるいは形に求められている課題あるいは意図を理解した上で、力学上、構法上、効果的にそれを実現する方法を志向し、それを科学的に定義することで、結果として設計者の想像力を越えた形態の可能性が創造されると考えています。
本コンテストは、独創的でありながら実現性も視野にいれた「形態創生」の考え方に基づいたアルゴリズムや、建築構法とその産み出す形態を総合的に競う事を目的にしています。過去7 回を経て本コンテストは、実体的に構造物を造る方法の合理性と、その構造物が実現する空間利用の合理性を融合した問題として捉えたレベルの高い催しとして注目されてきました。「形態創生」の考え方に可能性を見出す様々な分野の多くの人の参加を期待致します。

<課題(テーマ)> 
課題は以下のテーマとしました。

「コラボレーションによりこれまでと異なる建築のかたちを創生する」
解説:建築分野では異なる職能をもつ設計者や技術者とのコラボレーションが増えて、新しい建築空間を生み出しています。近年では他分野の科学者技術者と協同する機会も増えてきています。建築とは全く関係が無い分野の新しい知見を取りこんで建築を造ることも広義のコラボレーションと言えるでしょう。本コンテストではこのようなコラボレーションが拓く建築の可能性を求めます。どのような課題を設定あるいは発見し、どのようなプロセスあるいは方法によって、独創的な建築のかたち−システムやありかたを創生するのか。皆さんの実体的で、具現可能な提案を期待しています。

<審査員(敬称略、50音順)> 

 審査委員長 新谷眞人 (早稲田大学教授/オーク構造設計)
 審 査 員 池田靖史 (慶應義塾大学)
  久保田晃弘 (多摩美術大学)
  本間俊雄 (鹿児島大学)
 特別審査員 石井惠三 (株式会社くいんと)
 (特別講演講師) 豊田啓介 (Noiz Architects)

<コンテストの経緯>
エントリー数は34件でした。このうち21作品の提出物を対象として審査委員会による一次審査を行いました。作品は匿名とし、評価は、課題(テーマ)に対する作品の満足度の他、創生された形態(かたち)そのものの独創性や、用いている形態創生プロセスのアイデア性などを総合的に勘案しました。
一次審査の結果、6作品を入選作としました。
入選者は、「コロキウム構造形態の解析と創生2013」会場にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行いました。二次審査の結果、優秀作品3点を決定し、他の入選作品を含め、同コロキウムの懇親会において、審査委員長より表彰状を授与しました。

 2013年3月25日 ;建築雑誌2013年4月号に応募要項掲載
 2013年6月14日 ;応募要項に関する質疑締め切り
 2013年8月23日 ;応募エントリー締め切り
 2013年8月30日 ;作品応募締め切り
 2013年10月3日 ;一次審査(日本建築学会会議室にて)
 2013年10月4日 ;一次審査結果の通知
 2013年10月31日 ;コロキウム構造形態の解析と創生2013にて二次審査および表彰

プレゼンテーションと公開審査の様子

<入選作品(氏名:敬称略)>

最優秀作品;Collaborative Material Architecture
        −シュリンクフィルムからつくる建築のあたらしいかたち−
○隈 太一(東京大学)

優秀作品;インターネットの空間形式化
○山田 織部

優秀作品;Inside-out
〇島田英里子(日本大学),熊谷 正徳(同),竹田 怜平(同),関谷 駿(同)
  萱野 さやか(同)

入選作品;始原の棲み処
○中西 昭太(大建設計),永田 洸大(同),佐藤 智之(同),相場 一樹(同)

入選作品;A-mu
○益田 翼(有明工業高等専門学校),里中 拓矢(同),近藤 智紀(同)

入選作品;Human Bone Inspired Structure
○ジェレフ・アタナス(東京理科大学 及び ウィーン応用芸術大学)

□ 懇親会とコンテスト授与式

1日目の講演会終了後、懇親会が行われました。懇親会では,コンテストの最優秀作品と優秀作品等の授与式が行われました。

懇親会の様子
最優秀作品の賞状の授与
 
優秀作品の賞状の授与
優秀作品の賞状の授与


実施主担当者
  コロキウム実施責任者: 山本憲司(東海大学)
  コンテスト担当: 松川昌平(慶應義塾大学),熊谷知彦(明治大学)
酒井康史(日建設計),朝山秀一(東京電機大学)
小野聡子(有明工業高等専門学校)
  講演論文担当: 澤田樹一郎(鹿児島大学),永井拓生(滋賀県立大学)
横須賀洋平(鹿児島大学)
  広報担当: 本間俊雄(鹿児島大学)
  懇親会担当: 立道郁生(明星大学), 瀧澤重志(大阪市立大学)
張 景耀(名古屋市立大学),松尾智恵(川口衞構造設計事務所)
  会計担当:

堤 和敏(芝浦工業大学),陳 沛山(八戸工業大学)
瀧澤重志(京都大学),山本憲司(東海大学)

  参加登録: ガン ブンダラ(日本大学)
  優秀講演担当: 高田豊文(滋賀県立大学)
  コロキウムHP担当: 藤井大地(近畿大学)
  優秀講演選定委員会
委員長:
岡田 章(日本大学)