コロキウム構造形態の解析と創生

コロキウム構造形態の解析と創生

Colloquium Analysis and Generation of
Structural Shapes and Systems

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第11回 コロキウム構造形態の解析と創生2016

■ 開催主旨
 近年の建築の設計プロセスにおける3D-CADやBIMの利用は、意匠、構造、設備、施工の連携を強め、また、これまで不可能であった複雑な形態の構造物の建設も可能にしました。また、デジタル・ファブリケーションの技術が普及し、建築のデザインに大きな変化を与えつつあります。実現可能な建築表現の自由度が急速に増すなかで、建築物の形態をどのように決定すべきかという問題について、今後更に深く考えていく必要があります。
 本コロキウムは2006年度から毎年開催しており、今年で11回目を迎えます。これまでに、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインといった建築構造物の形態を創り出すための理論・技術に関する研究や、実際のデザインへの応用事例などが数多く紹介され、活発な議論が展開されてきました。これらの理論・技術は一過性のものではなく、本質的なニーズの上に成り立った重要な建設技術であり、新しいコンセプトや最新のアルゴリズムなどを取り入れながら、議論を重ねて今後も発展させていく必要があります。
 本年度開催する「第11回 コロキウム構造形態の解析と創生 2016」では、これまでと同様に形態創生の理論・技術に関わる研究者、技術者が一堂に会して最新の情報を交換すると同時に、今年度から新たに講演論文を研究論文と技術報告のふたつのカテゴリーに分け、理論・技術だけでなく、それらを具体的な建築物、プロジェクトなどに応用した事例紹介についても議論する機会を設けることで、これらの研究・技術分野が益々発展することを期待して開催されます。

<主催>
  構造委員会 シェル・空間構造運営委員会 構造形態の解析と創生小委員会
  構造委員会 応用力学運営委員会 構造形態創生小委員会
  情報システム技術委員会 アルゴリズミック・デザイン小委員会

開催期日 2016年10月27日(木), 28日(金)
開催場所 建築会館ホール


コロキウムの内容

□ 特別講演

特別講演は初日に行われ、日建設計の羽島達也さんと東京大学の佐藤淳先生が講演されました。
講演題目は、羽島達也さんが『いろいろなカタチの決まり方について』、佐藤淳先生が『フィルターとなる透過性ある構造形態』でした。
プログラム

□ 一般講演

一般講演は、2日目に行われ、26題の研究発表が行われました。
プログラム

□ 優秀講演表彰

優秀講演選定委員会(委員長:山川誠)の厳正なる審査の結果、今年の優秀講演が下記の3講演に決定しました(敬称略、発表順)。

 新内洋平(近畿大学)
 「IESO法を用いた建築構造の形態創生」

 滝内雄二(豊橋技術科学大学)
 「自由曲面単層ラチスシェルの座屈耐力最大化を目的とした形状探索」

 林 和希(京都大学)
 「軸力密度を設計変数とする平面トラスの位相と形状の同時最適化」

□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨>

形態創生における種々のアイデアを適用して、建築空間や構造物などの「新しいかたち」や「独創的な形態創生手法」を提案いただくコンテストです。専門分野にかかわらず、多くの方々に参加いただいて、形態創生のおもしろさや可能性を感じていただければと思っています。本コンテストでは、形態創生のフリーウェアも提供しています。一方、コンピュータプログラムや汎用ソフトによらない手法で、「かたち」を創生するアイデアも可能です。多くの方々からの応募を期待しています。

<課題(テーマ)>

「 coevolution 」 - 相互作用が創るカタチ
ここ数年で、生物から学ぶ技術開発が再び脚光をあびています。そうした流れは、生物のメカニズムを応用したロボット技術や材料開発を介して、建築学へと波及しつつあります。かつて、建築家であり構造家でもあったフライ・オットーが生物学に学ぶ研究共同体「 Biologie und Bauen(生物学と建築)」の活動を始めたのが 1960年代。それから半世紀以上が経った今、生物へのまなざしは、構造形態の模倣から生物の生成原理の応用へと進化してきました。形が生まれるメカニズム、動くための機構など、適応と進化の時間軸を含んだダイナミックなデザインが期待されています。
そうした背景を踏まえ、今年度の形態創生コンテストのテーマは「 coevolution (共進化)」です。共進化とは、生物が他の生物と相互に関係し合い、共に進化する現象を表現した生物学の用語です。異なる種間だけではなく、種内や、個体内でも起きる現象とされています。個々のデザインで解決するのではなく、建築と周囲環境との相互の関係性から導かれる構造モデルとはどのようなものなのか。完成形を模索していたこれまでの静的な姿を越えて、進化を許容する構造デザインを期待しています。

<審査員(敬称略、50音順)> 

 審査委員長 中田捷夫 (株式会社中田捷夫研究室)
 審 査 員 大崎 純 (京都大学)
  小渕祐介 (東京大学)
  久保田晃弘 (多摩美術大学)
 特別審査員 佐藤 淳 (東京大学)
(特別講演講師) 羽鳥達也 (日建設計)

<コンテストの経緯>
一次審査の結果、5作品を入選作,2作品を佳作としました。
入選者は、「コロキウム構造形態の解析と創生2016」会場にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行いました。二次審査の結果、最優秀および優秀作品計3点を決定し、他の入選作品を含め、同コロキウムの懇親会において、審査委員長より表彰状を授与しました。

 2016年08月24日:応募エントリー締め切り
 2016年08月31日:作品応募締め切り
 2016年09月06日:一次審査(日本建築学会会議室にて)
 2016年09月09日:一次審査結果の通知
 2016年10月27日:コロキウム構造形態の解析と創生2016にて 二次審査および表彰

<入選作品(氏名:敬称略)>   

最優秀作品:Twist Structure
○佐藤優・内田泰成・柳谷優成(以上,東京理科大学大学院)
優秀作品:Integrated Aggregates
○神崎陽平(豊橋技術科学大学大学院)
優秀作品:セカイは、訳無くカワル。Take action, chanege the world
○島田英里子・山崎翼・卯城花(以上,日本大学大学院)
入選作品:空間を編む
○高崎賢司・西田哲朗・塚崎克也・中村和史(以上,鹿児島大学大学院)
入選作品:変容するヨシ集積構造体
○白井宏昌・松岡拓公雄・菊川裕規・後藤優治・嶋崎迅・中安未来・平郡元貴・堀江健太・伊勢俊介・上西昂文・神戸涼・木下潤一・木原湧・黒崎健士郎・辻祐実・中村優・西本拓郎・野田慎治・宮本佳奈・山田 亮(以上,滋賀県立大学)
佳作作品:ガケ塚
○武政亜門・滝田友輝・米川那由多・丸川七菜子(以上,東京電気大学大学院)
佳作作品:海朴
○池下進之介(近畿大学大学院)

□ 懇親会とコンテスト授与式

1日目の講演会終了後、懇親会が行われました。懇親会では,コンテストの最優秀作品と優秀作品等の授与式が行われました。

懇親会の様子
最優秀作品の賞状の授与
 
優秀作品の賞状の授与
優秀作品の賞状の授与

実施主担当者
  コロキウム実施責任者: 熊谷知彦(明治大学)
  コンテスト担当: 小野聡子(近畿大学),朝山秀一(東京電機大学)
木村俊明(佐々木睦朗構造計画研究所)
國光修五(ユニオンシステム),竹中 司(アンズスタジオ)
永井拓生(滋賀県立大学)
  資料集担当: 横須賀洋平(鹿児島大学),山本憲司(東海大学)
  会場担当: 澤田樹一郎(鹿児島大学),松川昌平(慶應義塾大学)
  広報担当: 本間俊雄(鹿児島大学)
  懇親会担当: 高田豊文(滋賀県立大学), 瀧澤重志(大阪市立大学)
陳 沛山(九州工業大学)
松尾智恵(川口衞構造設計事務所)
  会計担当: 張 景耀(名古屋市立大学),平田裕一(三井住友建設)
  参加登録: 山本憲司(東海大学)
  優秀講演担当: 山川 誠(東京電機大学)
  コロキウムHP担当: 浜田英明(法政大学)
  ポスター担当: 稲坂晃義(千葉工業大学),木内俊克(東京大学)
  優秀講演選考委員会
委員長:
山川 誠(前掲)