コロキウム構造形態の解析と創生

コロキウム構造形態の解析と創生

Colloquium Analysis and Generation of
Structural Shapes and Systems

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第14回 コロキウム構造形態の解析と創生 2019

■ 開催趣旨
 近年の建築の設計プロセスにおける3D-CADやBIMの利用は、意匠、構造、設備、施工の連携を強め、また、これまで不可能であった複雑な形態の構造物の建設も可能にしました。また、デジタル・ファブリケーションの技術が普及し、建築のデザインに大きな変化を与えつつあります。実現可能な建築表現の自由度が急速に増すなかで、建築物の形態をどのように決定すべきかという問題について、今後更に深く考えていく必要があります。

 本コロキウムは2006年度から毎年開催しており、今年で14回目を迎えます。これまでに、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインといった建築構造物の形態を創り出すための理論・技術に関する研究や、実際のデザインへの応用事例などが数多く紹介され、活発な議論が展開されてきました。これらの理論・技術は一過性のものではなく、本質的なニーズの上に成り立った重要な建設技術であり、新しいコンセプトや最新のアルゴリズムなどを取り入れながら、議論を重ねて今後も発展させていく必要があります。

 本年度開催する「第14回 コロキウム構造形態の解析と創生2019」では、これまでと同様に形態創生の理論・技術に関わる研究者、技術者が一堂に会して最新の情報を交換すると同時に、理論・技術だけでなく、それらを具体的な建築物、プロジェクトなどに応用した事例紹介についても議論することで、これらの研究・技術分野が益々発展することを期待して開催されます。

<主催>
  構造委員会 シェル・空間構造運営委員会 構造形態創生小委員会
  構造委員会 応用力学運営委員会 構造最適化と設計小委員会

開催期日 2019年10月31日(木), 11月1日(金)
開催場所 建築会館ホール


コロキウムの内容

□ 特別講演

 特別講演は初日に行われ、広島工業大学の杉田 宗先生と東京藝術大学の藤村龍至先生が講演されました。
講演題目は、
杉田 宗先生が『デジタルデザインによる拡張』、
藤村龍至先生が『ちのかたち 建築形態の解析と創生の接続について』
でした。
 また、今年度は、本コロキウムに数多く御貢献くださいました川口衞先生の追悼セレモニーも行われました。

プログラム

□ 一般講演

一般講演は、2日目に行われ、20題の研究論文と1題の技術報告の発表が行われました。
プログラム

□ 優秀講演表彰

優秀講演選定委員会(委員長:小野聡子)の厳正なる審査の結果、今年の優秀講演が下記の2講演に決定しました(敬称略、発表順)。

 有馬真輝(鹿児島大学)
 「量子的振る舞いを導入した群知能解法による大域的最適解及び局所最適解の探索能力」

 河野純平(岡山県立大学)
 「平面シザーズ構造を組み合わせた展開型角柱による立体骨組の構成手法」

□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨>

形態創生における種々のアイデアを適用して、建築空間や構造物などの「新しいかたち」や「独創的な形態創生手法」を提案いただくコンテストです。専門分野にかかわらず、多くの方々に参加いただいて、形態創生のおもしろさや可能性を感じていただければと思っています。本コンテストでは、形態創生のフリーウェアも提供しています。一方、コンピュータプログラムや汎用ソフトによらない手法で、「かたち」を創生するアイデアも可能です。多くの方々からの応募を期待しています。

<課題(テーマ)>

バイオミミクリーが生み出す形態

生物に着想を得て新しいデザインや開発を行う技術であるバイオミミクリー(Bio-mimicry)が近年注目されています。生物は厳しい自然界に合理的に対応するよう形態を進化しています。また、我々の身の回りにあるモノのカタチに注目すると、環境や文化、歴史に由来する何らかの特徴や影響を読み取ることができます。更に、このカタチにひそむ歴史を読み解くことにより、”脈々と受け継がれる遺伝的(生物的)な情報”をつかむことができるかもしれません。プロダクト、建築物、都市と言った様々なスケールの世界で環境に適合し、既成概念をダイナミックに変える新しいカタチの提案を求めます。

<審査員(敬称略、50音順)> 

 審査委員長 加藤史郎 (豊橋技術科学大学名誉教授)
 審 査 員 市川創太 (ダブルネガティヴスアーキテクチャー、都市研究室エイチシーラボ)
  佐藤 淳 (東京大学)
  三井和男 (日本大学)
 特別審査員 杉田 宗 (広島工業大学)
(特別講演講師) 藤村龍至 (東京藝術大学)

<コンテストの経緯>

一次審査の結果、5作品を入選作としました。
入選者は、「第14回 コロキウム構造形態の解析と創生 2019」会場にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行いました。二次審査の結果、最優秀作品1点,優秀作品2点を決定し、他の入選作品を含め、同コロキウムの懇親会において、審査委員長より表彰状を授与しました。

 2019年08月23日:応募エントリー締め切り
 2019年08月30日:作品応募締め切り
 2019年09月18日:一次審査(日本建築学会会議室にて)
 2019年09月25日:一次審査結果の通知
 2019年10月31日:「第14回 コロキウム構造形態の解析と創生 2019」にて二次審査および表彰

<入選作品(氏名:敬称略)>   

最優秀作品:Venus' Flower Baske
○河野哲也(中部大学)、田村尚土(株式会社ディックス)、芹川拓人(名古屋工業大学)、久保隆成(千葉大学)
優秀作品:The Movements of Shapes Like Living Creatures
○山口大翔、菅野成一(以上、東京大学)
優秀作品:CUTICULAS STRUCTURA
○黒木光博、林晃平、渡邊享哉、牧真太朗、寺島美土里、和田健介、山岡祐貴、大江諭史、山下美帆、久米建一、木内佑輔、原裕之郎(以上、清水建設株式会社)
入選作品:呼吸する“構造態”
○弾健太郎、山室涼平、大楠海加、山下勇紀、林山赳大(以上、大林組)
入選作品:inflated structure
○鵜飼祐太、廣田雄磨(以上、東京理科大学)

□ 懇親会とコンテスト授与式

 1日目の講演会終了後、懇親会が行われました。懇親会では、コンテストの最優秀作品、優秀作品、入選作品の授与式が行われました。

最優秀作品の賞状の授与
優秀作品の賞状の授与
 
優秀作品の賞状の授与
入選作品の賞状の授与
入選作品の賞状の授与
懇親会の様子

実施主担当者
  コロキウム実施責任者: 浜田英明(法政大学)
  コンテスト担当: 木村俊明(名古屋市立大学),
國光修五(ユニオンシステム),館 知宏(東京大学)
永井拓生(滋賀県立大学),横須賀洋平(鹿児島大学)
  講演論文担当: 山本憲司(東海大学),
ブンタラS.G.(日本大学),野村圭介(東海大学)
  会場担当: 藤田晧平(京都大学),熊谷知彦(明治大学)
  広報担当: 浜田英明(前掲)
  懇親会担当: 高田豊文(滋賀県立大学),
多田 聡(構造システム),陳 沛山(九州工業大学)
永田洸大(大建設計),山川誠(東京理科大学)
  会計担当: 松尾智恵(川口衞構造設計事務所),舘 知宏(前掲)
  参加登録: 野村圭介(前掲),和田大典(梓設計)
  優秀講演担当: 小野聡子(近畿大学)
  コロキウムHP担当: 熊谷知彦(前掲)
  ポスター担当: 藤田慎之輔(北九州市立大学),陳沛山(九州工業大学)
  優秀講演選考委員会
委員長:
小野聡子(前掲)