コロキウム構造形態の解析と創生

コロキウム構造形態の解析と創生

Colloquium Analysis and Generation of
Structural Shapes and Systems

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第16回 コロキウム構造形態の解析と創生 2021

■ 開催趣旨
 近年の建築の設計プロセスにおける3D-CADやBIMの利用は、意匠、構造、設備、施工の連携を強め、また、これまで不可能であった複雑な形態の構造物の建設も可能にしました。また、デジタル・ファブリケーションの技術が普及し、建築のデザインに大きな変化を与えつつあります。実現可能な建築表現の自由度が急速に増すなかで、建築物の形態をどのように決定すべきかという問題について、今後更に深く考えていく必要があります。

 本コロキウムは2006年度から毎年開催しており、今年で16回目を迎えます。これまでに、構造形態創生、構造最適化、アルゴリズミック・デザインといった建築構造物の形態を創り出すための理論・技術に関する研究や、実際のデザインへの応用事例などが数多く紹介され、活発な議論が展開されてきました。これらの理論・技術は一過性のものではなく、本質的なニーズの上に成り立った重要な建設技術であり、新しいコンセプトや最新のアルゴリズムなどを取り入れながら、議論を重ねて今後も発展させていく必要があります。

 本年度開催する「第16回 コロキウム構造形態の解析と創生2021」では、これまでと同様に形態創生の理論・技術に関わる研究者、技術者が一堂に会して最新の情報を交換すると同時に、理論・技術だけでなく、それらを具体的な建築物、プロジェクトなどに応用した事例紹介についても議論することで、これらの研究・技術分野が益々発展することを期待して開催されます。

<主催>
  構造委員会 シェル・空間構造運営委員会 構造形態創生小委員会
  構造委員会 応用力学運営委員会 構造最適化と協創小委員会

開催期日 2021年10月28日(木), 29日(金)
開催場所および方法 1日目(10/28):建築会館ホール(対面とオンラインを併用したハイフレックス方式)
2日目(10/29):Web会議システムによるオンライン方式での開催


コロキウムの内容

□ 特別講演

 特別講演は初日に行われ、東京電機大学名誉教授,TIS & Partnersの今川憲英先生と美術家の野老朝雄氏が講演されました。
講演題目は、
今川憲英先生が『Material Speaksを元にした、形態創生コンセプトとデザイン』、
野老朝雄氏が『個と群と律』
でした。

プログラム

□ 一般講演

一般講演は、2日目に行われ、21題の研究論文の発表が行われました。
プログラム

□ 第16回コロキウム構造形態の解析と創生2021 若手優秀発表賞

一般社団法人日本建築学会 第16回コロキウム構造形態の解析と創生 2021 実行委員会の厳正なる審査の結果、今年の優秀発表賞は下記の3名に決定しました(敬称略、発表順)。

 水谷友香(近畿大学)
「ESO法を用いた部分的複層ラチスシェルの形態創生」

 鮫島有太佳(近畿大学)
「HMPS法とCA-IESO法を用いたコンプライアントメカニズムの形態創生」

 小野富貴(東京大学)
「弾性変形する不等辺シザーズ構造を用いた一定負曲率曲面」


□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨>

 形態創生における種々のアイデアを適用して、建築空間や構造物などの「新しいかたち」や「独創的な形態創生手法」を提案いただくコンテストです。専門分野にかかわらず、多くの方々に参加いただいて、形態創生のおもしろさや可能性を感じていただければと思っています。本コンテストでは、形態創生のフリーウェアも提供しています。一方、コンピュータプログラムや汎用ソフトによらない手法で、「かたち」を創生するアイデアも可能です。多くの方々からの応募を期待しています。

<課題(テーマ)>

「対(つい)」

 オンラインとオフライン、個と群、単純と複雑、引張と圧縮や弾性と塑性のように互いの意味は異なるものの、一定の法則で関係性を持つ言葉があります。かたちに着目すれば、五輪・パラリンピックのエンブレムは、一見すると対極的な形状に見えますが、両者共にパーツ数は全く同じで、組み替えることでそれぞれのエンブレムができるようになっていると言われています。

 形態創生コンテスト2021のテーマは「対(つい)」とします。一見するとバラバラなモノや概念から共通の関係性を見つけたり、建築を超え、領域横断するように、「対」が互いに触発することも可能でしょう。この「対」を自由に解釈し、魅力的な新しいカタチを提案してください。皆さまの積極的な応募をお待ちしております。

<審査員(敬称略、50音順)>

 審査委員長 加藤史郎 (豊橋技術科学大学名誉教授)
 審 査 員 佐藤 淳 (東京大学)
  舘 知宏 (東京大学)
  鳴川 肇 (慶應義塾大学)
 特別審査員 今川憲英 (東京電機大学名誉教授、TIS & Partners)
(特別講演講師) 野老朝雄 (美術家)

<コンテストの経緯>

応募作品に対する一次審査の結果、6作品を入選作としました。
入選者は、「第16回 コロキウム構造形態の解析と創生 2021」にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行いました。二次審査の結果、最優秀作品1点,優秀作品1点を決定し、他の入選作品を含め、二次審査後の表彰式において、審査委員長より表彰状を授与しました。

 2021年08月06日:応募要項に関する質疑締切
 2021年09月17日:応募エントリー締め切り
 2021年09月24日:作品応募締め切り
 2021年09月29日:一次審査(オンライン会議システムにて)
 2021年10月01日:一次審査結果の通知
 2021年10月28日:「第16回 コロキウム構造形態の解析と創生 2021」にて二次審査および表彰

<入選作品(氏名:敬称略)>   

最優秀作品:木羽 MOKUBA -平面から曲面に展開可能な Bending Active × Reciprocal Frame構造物-
○北島千朔、白石尚也、濱上結樹(以上、九州大学)
優秀作品:切り紙オーゼティックの木洩れ日 ー光と影が対をなす空間構造の提案ー
○岩田裕里、香月弥樹、田中華乃(以上、九州大学)、森永 魁(東京大学)
入選作品:支え合うヨシビルシステム
○木原 湧、小倉匠翼、今出遥揮(以上、滋賀県立大学)
入選作品:Kerf Board Shell-平板から生まれる自由な空間』
○小林広樹、小南修一郎、森友義弥、齋藤魁利(以上、北九州市立大学)
入選作品:柔から剛へ
○吉山大雅、小原 柊(以上、大阪市立大学)
入選作品:消えて現れる祈りの場
○横田 誠、奥村侑正、松田和樹、西村和紗、岡部絢子(以上、(株)大林組)

第16回コロキウム構造形態の解析と創生 2021 実行委員会 担当者
  コロキウム実施責任者: 浜田英明(法政大学)
  コンテスト担当: 木村俊明(名古屋市立大学),
藤田慎之輔(北九州市立大学),松尾智恵(明星大学)
横須賀洋平(鹿児島大学)
  資料集担当: ブンタラS.G.(日本大学),
高田豊文(滋賀県立大学),野村圭介(東海大学)
  会場担当: 山本憲司(東海大学),藤田晧平(京都大学)
  広報担当: 浜田英明(前掲)
  会計担当: 永田洸大(大建設計),舘 知宏(前掲)
  参加登録: 野村圭介(前掲),和田大典(梓設計)
  若手優秀発表賞担当: 小野聡子(近畿大学)
  コロキウムHP担当: 熊谷知彦(明治大学)
  ポスター担当: 陳沛山(九州工業大学),永井拓生(滋賀県立大学)