司法支援建築会議  
 
 
議事録 公開
 

設置の背景

  社会環境や経済環境の変化に伴って建築関係紛争は、今後ますます増大することが予想されております。特に、建築基準法の改正(性能規定化、中間検査)、住宅の品質管理の促進等に関する法律が制定されているほか、工事請負、設計業務委託、監理業務委託などの契約約款が整備されつつあり、設計者・技術者はプロフェショナルな判断にもとづく自己責任の時代へ向けて大きく発想を転換していく必要があります。
  本会では、建築雑誌1999年4月号「建築の裁判を知る」の特集を契機として、最高裁判所からの要請にもとづき、司法支援活動の可能性について意見交換を続けてまいりました。
建築紛争は、建築生産過程において、また内容も基礎・地盤、駆体構造、材料から設備(空調・配管)、雨漏り、音、熱、光などの多岐にわたり、紛争対象箇所も多数に及びます。一方、当事者代理人や裁判官には専門的知識が十分でなく、瑕疵(かし)を主張する施主も専門家ではないことから審理の複雑化・長期化を招きやすい傾向にあります。従って円滑・迅速な審理のためには専門家の参加による調停制度を活用しての解決や、裁判官の判断に寄与する適正な鑑定制度の必要性が指摘されております。
  設計者・技術者にとっても紛争を防止するために、施主に対する説明責任を果たすことを通じて業務の透明性を高めると同時に、紛争事例に学ぶ必要があります。また不幸にして紛争当事者なった場合にも、円滑・迅速な解決のための必要な法的知識を備えておく必要があります。
  以上のような背景のもとに日本建築学会内に、豊かな学識・実務経験者を会員として司法に建築学会の立場から裁判所を支援する「司法支援建築会議」を設置することにいたしました。

設立目的

  司法支援建築会議は日本建築学会が会長直属の会議体として設立するもので、建築関係訴訟に関して、学会が保持する厳正中立的な立場から裁判所に対する支援ならびに裁判所の協力のもとに裁判判例等の建築紛争情報の調査・分析を行いその成果の公表を通じて、学会会員への啓発と建築の学術・技術・芸術の進展に、さらに社会公共に寄与することを目的としてます。

お問合わせ
司法支援建築会議に関する件は、事務局まで連絡ください。
E-mail:shiho@aij.or.jp
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