CIB Commission W104 Open Building Implementation 第10回会議報告

5. 海外からの発表論文（一部）

1) Rob P. Geraedts

"Transformation Meter Revisited"

オフィスを住宅にコンバージョンするにあたり、プロジェクトの可能性を
判断する３つの指標を開発。11の実施事例にて有効性を確認。
1. Quick Scan：コンバージョンに向かない要件のチェックリスト。
2. Feasibility models　：　財務面でのチェック。
　 コンバージョン住宅に住む可能性が高いとされる若年層、高齢者層が望む
　 住宅の平面を導出し、その実現に必要な改修工事費を算定。
3. Checklist：想定されるリスクを列記。


2) Ype Cuperus

"Explorations of the Design Process"

環境の変化に着眼したＯＢの理論に基づく、設計教育について。
Integral Design：建築意匠、構造、設備の統合。


3) Karel Dekker

"SUREURO: Sustainable Refurbishment Europe"
スロイロプロジェクトの紹介。http://www.sureuro.com/


4) Robert Kronenburg

"Flexible Architecture: The Cultural Impact of Responsive Building"

伊東豊雄氏設計の松本芸術文化会館、仙台メディアテークを対象として、
建築のフレキシビリティについて考察。


5) Frits J. M. Scheublin

"Analysis of the Success and Failure Factors of an Open Building Project"

2000年にロッテルダムでOBの理論にもとづきプロジェクトを実施する開発会社が設立された。
ロッテルダム市の支援により、安価な土地が提供され、７階建てのコンクリートの
スケルトンだけを建設し、ファサード、内装は、入居者がショートリストから
建築家を選んで、自ら実施する計画が進行していた。
外装なしで、建築確認も取得することができた。
住宅省から付加的に発生するコストに対する財政支援も得られた。
当初の反響は大きかったが、2003年夏に販売を開始したところ、十分な入居者が現れず、
計画は延期されることになった。
筆者は、プロジェクトが実現に至らなかった理由を分析し、今後のＯＢの可能性拡大について考察する。


6) Li-Chu Lin

"Thoughts on Capacity of Open Architecture for Infectious Disease Control
　and Prevention in Urban Residential Complexes"

香港の高層住宅でのSARSの発生状況、感染予防策を、OBの領域のレベル（階層）の視点で分析。


7) JIA, Beisi

"A Quantitative Assessment of the Environmental Impact of Flexible Partitions
　Supplied in Hong Kong"

香港における標準的公共住宅と民間分譲住宅を対象に、フレキシビリィの相違する
5つの間仕切りシステムを用いて間取りの変更を行った場合の、コスト、環境負荷などを
既存の環境評価指標を用いて評価。

1. 会議概要へ

2. N. J. ハブラーケンの論文へ

3. 基調講演（ルシアン・クロール，フランス・ファン・デル・ヴェルフ）へ

4. 日本からの発表論文へ

5. 海外からの発表論文

6. 実践事例の紹介へ

7. 現地視察へ