7.復旧のための保険・公的補助・融資制度

1.地震保険

液状化により住宅や宅地が被害を受けると、それを修復するのには多大な費用が必要になります。被災者にとっては修復工事を行うのも、また、その資金を捻出することにも大変な負担がかかることとなります。液状化被害による修復工事に必要な資金のために、地震保険(8.法制度等から見た液状化の問10参照)の契約をしておくという選択肢があります。地震保険は公的補助の有無にかかわらず、契約で定められた保険金が出ます。地震保険は火災保険とセットで契約することができますので詳細は下記のホームページをご覧ください。

一般社団法人 日本損害保険協会
 http://www.sonpo.or.jp/useful/insurance/jishin/

2.公的補助

修復のための公的補助として、地方公共団体によっては液状化被害に対して独自の支援事業(補助金等)を実施しているところがあります。

【地方公共団体による液状化被害に対する支援制度(例)】

このほか、液状化被害に関わらず地震により住宅が被害を受けた場合の復旧支援制度を実施している地方公共団体もありますので、お住まいの地域を管轄する地方公共団体のホームページや相談窓口でご確認ください。
 しかし、地方公共団体によっては助成制度がなかったり、制度があったとしても助成金の額が少なかったり、あるいは助成基準に該当せず利用できないケースもあります。

3.融資制度

修復に必要な費用が少ない場合は、地震保険や公的補助融資の利用だけで対応できるでしょうが、多額の費用がかかる場合は民間金融機関の一般的な個人ローンなども利用できますが、融資金利や償還期間の問題もあります。どうしても多額の借入れとなってしまう場合は、修復方法・工事費総額に加えて将来の返済計画に無理がないかどうかを十分検討しておくことが必要です。しかし、工事費を抑えて中途半端な修復工事となってしまった場合は、不完全な修復となり、工事後に新たな不具合が発生するリスクもありますので十分注意が必要です。
 また、公的補助が受けられない場合や補助金だけでは不足する場合は、地震保険の保険金を充当することができますが、保険契約をしていなかった場合や、契約していても損害の判定基準によっては保険金も十分ではない場合もあります。
 そこで考えられる方法は、金融機関からの借入れですが、液状化被害を含めて被害を受けた住宅や宅地の修復費用として利用できる融資は、(独)住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の災害復興住宅・宅地融資制度があるぐらいで、残念ながら現状では他に利用できる制度(液状化被害の修復を目的として被災者の負担が軽減されている制度)は提供されていない様です。なお、他の金融機関によっては修復するための費用を一般のリフォームローンなどに含めて融資しているケースがあるかもしれませんので確認しておきましょう。

独立行政法人 住宅金融支援機構 災害復興住宅融資・災害復興宅地融資(独)住宅金融支援機構では、下記の3種類の融資を用意しています。

  1. 「東日本大震災で被災した住宅を復旧するための災害復興住宅融資」:東日本大震災で被災された住宅復旧のための建設資金、購入資金又は補修資金
    (パンフレット http://www.jhf.go.jp/files/300126471.pdf
  2. 「東日本大震災で被災した宅地を復旧するための災害復興宅地融資」:東日本大震災で擁壁等の被害が生じた宅地の補修資金
    (パンフレット http://www.jhf.go.jp/files/100146606.pdf
  3. 「自然災害で被災した住宅を復旧するための災害復興住宅融資」:地震、台風、大雨などの災害により被災された住宅復旧のための建設資金又は購入資金、補修資金
    (パンフレット http://www.jhf.go.jp/files/100166098.pdf

東日本大震災で住宅が被災した場合は、1.「東日本大震災で被災した住宅を復旧するための災害復興住宅融資」となります。
 住宅の被害がなく宅地のみ被災した場合は、2.「東日本大震災で被災した宅地を復旧するための災害復興宅地融資」となります。
 例えば、東日本大震災で敷地の液状化で住宅が傾いてしまった場合は、1.「東日本大震災で被災した住宅を復旧するため災害復興住宅融資」、住宅はなんともなかったが、擁壁が崩れてしまった場合は、2.「東日本大震災で被災した宅地を復旧するための災害復興宅地融資」に該当します。
 では、住宅が被災した場合の1.「東日本大震災で被災した住宅を復旧するための災害復興住宅融資」の概要の一部を紹介します。詳細は、住宅金融支援機構のホームページをご覧ください。

どういう場合に対象になるの?

<建設・購入の場合>

住宅が「全壊」、「大規模半壊」又は「半壊」した旨の「り災証明書」を交付されている方

<補修の場合>

住宅に被害が生じた旨の「り災証明書」を交付されている方

融資額はどのくらい?

土地を取得して住宅を建設される場合の融資限度額は、建設資金:基本融資額1,500万円、特例加算460万円、整地資金:400万円、土地取得資金970万円となっています。
 例えば、地震で地盤に亀裂が発生し建物にも被害があった場合には、建設資金+整地資金が、津波による被害を受けたので別の場所に土地を購入して建物を建てる場合は、建設資金+土地取得資金が融資されます。

融資金利は?

融資金利は、借入お申し込み時に返済期間のすべての金利が確定する「固定金利(全期間固定金利型)」です。ただし、特例加算以外の金利は段階的に高くなるため、毎月の返済額が当初5年経過後及び10年経過後に増加します。
 適用される金利は、住宅金融支援機構ホームページでご確認ください。

お申込み方法は?

申込受付期間
平成28年3月31日まで
※建築制限の行われている地域で建設する場合で平成28年3月31日までにお申し込みができないときは、建築制限解除後6カ月以内まで
お問い合わせ先
被災された方からの融資などのご相談、パンフレットのご請求など
住宅金融支援機構 お客様コールセンター(災害専用ダイヤル)
0120-086-353 (通話無料)
お申込み先
お近くの災害復興住宅融資取扱金融機関の窓口

(独)住宅金融支援機構のホームページ http://www.jhf.go.jp/

4.被災者支援に関する各種制度の概要

住宅金融支援機構の融資制度を含めた被災者支援に関する各種制度の概要を、内閣府では下記のサイトで紹介しています。
 URL:http://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/seido.html
 この中で、住まいに関しては「住まいの確保・再建のための支援 ~住まいの被災状況と再建の意向から支援制度を探す~」のページにまとめられ、各制度の概要も紹介されています。

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