コロキウム構造形態の解析と創生

コロキウム構造形態の解析と創生

Colloquium Analysis and Generation of
Structural Shapes and Systems

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コロキウム構造形態の解析と創生2006 -colloquium 2006-
■ 開催主旨
  1995 年11月に行われた「コロキウム構造形態の解析と創生」では、 建築構造の最適化や構造形態創生に関する特別講演1題と26編の研究発表及び活発な討議が行われ、 国内外におけるその後のこの分野の研究に大きな影響を与えた。 以後10年の間、新しい理論の提案や計算手法の開発が精力的に行われ、 特に21世紀に入り、構造形態創生の理論を構造デザインに応用した建築構造の実施施工例も現れ、 基礎理論だけでなく応用研究も一斉に開花した感がある。 このコロキウムでは建築関連の構造最適化や構造形態創生に関する最新の研究を手がける研究者、 技術者が一堂に会し、研究発表、事例紹介、ソフトウェアの展示紹介の企画などを行い、 最新の情報交換を行うことを通して、将来に向けたこの分野の目指すべき方向性を探り、 今後の研究のますますの発展に資することを目的としている。

 <主催>:構造委員会 シェル・空間構造運営委員会 空間構造における計算機応用小委員会
 <共催>:構造委員会 応用力学運営委員会 構造形態の創生と最適化小委員会

 開催期日: 2006年11月14日(火), 15日(水) (10:00-17:00)
 開催場所: 名古屋大学野依記念学術交流館 コンファレンスルーム

コロキウムの内容

□ 特別講演

 3題の特別講演では,計算機の飛躍的な発達に後押しされつつある構造形態創生の現状と建築構造設計との関わりについての講演(『形態創生法 過去・現在・未来』大森博司(前掲)),自然界における生物の形の合理性に着目した形態創生手法に関する講演(『生物に学ぶ形態設計』山崎光悦(金沢大学)),そして,構造形態解析における位相最適化問題に飛躍的な発展をもたらしたエポックメイキング的な研究の過程を振り返る講演(『形の創造のためのトポロジー最適化手法 何をやりたかったのか?』菊池昇(ミシガン大学))がなされた。 プログラム

□ 一般講演

一般講演は23題発表されている。90 年代後半からの約10 年間に亘って展開されてきた最適化の分野における計算機応用の最新アルゴリズムを始めとして、既存の最適化手法の実務に対する応用の実態と課題、構造最適化に基づいた建築のデザイン、最適化に関する数理などが紹介され、それぞれの発表において活発な議論が展開された。昨今では、サステナブルな社会の構築が叫ばれるようになったことから、力学的な問題だけではなく、ライフサイクルデザインへの応用に関する研究成果も発表されるなど、その対象はより一層大きな広がりを見せていることが明らかとなった。 構造最適化を行うソフトウェアに関する4題の招待講演では,主に建築以外で実用に供されているソフトウェアの現状と課題が明らかにされ、分野をまたがる情報交換がなされた。プログラム

□ 模型展示

 構造形態に関係する研究あるいは実施設計されている国内の先生方にお願いし、模型やパネルをお借りして展示を行った。模型では、展示用に説明文(A4,1ページ)の作成も引き受けて頂いている。展示作品は、7個人・グループより、模型15点、パネル4点、説明文8点が集まっている。中には、実際にさわって体感できるものもあった。ここに、提供して頂いた各先生方に深謝すると共に、展示作品を以下に紹介する。 @『クエルナヴァカのオープンチャペル』,『ソチミルコのレストラン(フレーム模型)』,『バカルディ壜詰め工場(フレーム模型)』模型3点+説明文8【 斎藤公男・岡田章(日本大学) 】 A『逆転懸垂型シェル模型』模型5点+パネル【 高山誠(金沢工業大学) 】 B『コンプライアントメカニズムの模型』模型2点+説明文【 西脇眞二(京都大学) 】 C『居孔の絵本』,『居孔の映像』模型2点+説明文【風袋宏幸(武蔵野大学) 】 D『テンセグリティのテント』模型1点+説明文【 藤原淳(太陽工業) 】 E『新水俣門』パネル3点【 渡辺誠(アーキテクツオフィス) 】 F『付帯条件付きの極小曲面』模型2点+説明文【柯宛伶・川口健一(東京大学) 】
展示風景A展示風景B展示風景C

居孔の絵本コンプライアントメカニズムクエルナヴァカのオープンチャペルソチミルコのレストランバカルディ壜詰め工場テンセグリティのテント付帯条件付きの極小曲面

□ 形態創生コンテスト

<コンテストの主旨>  構造形態創生のアルゴリズムや考え方を用いた、「新しいかたち」や「独創的なアイデア」を評価するコンテストを実施した。様々な分野の多くの人に参加して頂き、構造形態創生のおもしろさや可能性を感じてほしいというのが、開催主旨であった。そのため、コンピュータプログラムによらない方法でかたちを創生するアイデアも可能とした。

<課題(テーマ) > 課題は以下の2テーマとし、自由に選択できるようにした。
【テーマA】;「アーケードの構造形態を創生する」
【テーマB】;「都市機能を活性化する『構造のかたち』を考える」
審査に際しては、主に次の二つの観点、すなわち創生された形態(かたち)の独創性、合理性、美しさならびに、形態創生プロセスのアイデア性、独創性を評価した。

<審査員(敬称略、50音順)> 審査委員長 ;大森博司(前掲) 審査員; 川口 衞(川口衞構造設計事務所) 斎藤公男(日本大学) 元結正次郎(東京工業大学)
審査風景


<コンテストの経過> 応募作品は6作品であった。提出物を対象として審査委員会による一次審査を行った。この結果、4作品を入選作とした。入選者は、「コロキウム構造形態の解析と創生2006」会場にて公開のプレゼンテーションを行い、その後、審査委員会による二次審査を行った。この結果、最優秀作品1点、優秀作品1点を決定し、同コロキウムの閉会式において、審査委員長より表彰状が授与された。
プレゼンテーション風景Aプレゼンテーション風景B

2006年5月20日;建築雑誌2006年5月号に応募要項掲載
2006年6月15日;応募要項に関する質疑締め切り
2006年7月24日;応募エントリー締め切り
2006年9月25日;応募締め切り
2006年10月3日;一次審査(日本建築学会会議室にて)
2006年10月5日;一次審査結果の通知
2006年11月15日;コロキウム構造形態の解析と創生2006にて二次審査および表彰

<入選作品>

最優秀作品;ハニカムエアクッション壁の形態創生について ○平嵩雄[横浜国立大学]、櫻井佑美[同]No.11-1, No.11-2

優秀作品;「創」〜進化による可能性〜 ○坂中玲子[鹿児島大学]、堀切秀作[同]、工藤玲[同]、 ヴ・レ・ビック・フーオン[同]No.7-1, No.7-2

入選作品;ボロノイ分割を用いた形態創生 ○中村吉秀[大林組]、渡辺哲巳[同]、森洋一[同]、山中昌之[同]No.2-1, No.2-2

入選作品;カテナリーを基にした水平力に対抗しうる形態の模索 ○古田寛生[大同工業大学]、増田卓朗[同]No.3-1, No.3-2

実施組織メンバー:本間俊雄(鹿児島大学),大崎純(京都大学),大森博司(名古屋大学),岡田章(日本大学),川口健一(東京大学生産技術研究所),河村拓昌(トヨタコミュニケーションシステム), 熊谷知彦(東京工業大学),高田豊文(三重大学),立道郁生(前田建設工業),萩原伸幸(大同工業大学),平田裕一(三井住友建設),藤井大地(近畿大学),藤原淳(太陽工業), 松尾智恵(川口衞構造設計事務所),水谷太朗(大成建設),三井和男(日本大学),山本憲司(鹿児島大学) (順不同)