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人類は、20世紀末の高度経済成長期を通して、「より高く、より速く、より強く」といった、一面的な欲望の追求により、大きな繁栄を築いて来た。しかし 一方で言えば、廃棄物・CO2の発生、資源の枯渇といった、その結果生じる重大な問題には目をつぶって来たとも言える。そして、その結果もたらされたのが「地球環境問題」である。地球環境問題は、石炭・石油や鉄鉱石など、太古の昔から極めて永い年月をかけて地球上に蓄えられてきた貴重な資源を、急激な大量消費を行なった結果生じた問題でもある。21世紀を迎え我々は、地球環境問題と我々との関係をもう一度見直すことにより、「持続可能な社会」を再構築し、かけがえのない星「地球」を取り戻すことが求められている。

地球環境問題は、様々な事象と関わる複雑な問題である。かつてフロンやアスベストなど、「夢の物質」「奇跡の鉱石」と呼ばれた、特定の分野で見れば最適と思われた物質が、地球全体で見れば最悪の結果を引き起こすことがあり得ることを学んだ。地球環境問題の克服のためには、個々の専門分野を横断した総合的な取組みが不可欠である。

本学会はこのような問題に対処するため、1990年代より「地球環境委員会」を組織し、各専門分野の叡知を結集し、分野を横断した幅広い意見交換を行ってきた。今後とも本委員会は、学術・技術・芸術の各分野を包含した総合的な調査研究活動を展開することにより、この問題の克服に向けた活動を進めて行くことが望まれる。

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■お知らせ

地球環境委員会 委員長 稲田 達夫(福岡大学)

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