5. 施工における重要事項説明で注意すべき点

2) 住宅瑕疵担保責任保険の仕組み

小規模建物を施工する建設業者

資力確保の義務づけの対象となる建設業者とは建設業法の許可を受けた建設業者で、小規模建物を施工する建設業者は建設業法の許可が不要な場合があるので、この場合は瑕疵担保履行法の対象外になります。

重要事項説明の対象となる項目は、瑕疵担保責任履行のための資力確保の方法や保険契約の内容です。具体的には下記のとおりです。
建設業法の許可が不要な軽微な建設工事のみを請け負う建設業者の場合も「住宅瑕疵担保責任任意保険」で、住宅瑕疵担保責任保険と同じ内容の契約ができます。ただし、故意・重過失に起因する事故の際にも保険金を受け取るためには、保険契約に故意・重過失損害担保特約条項を付帯する必要があります。なお、故意・重過失の場合は、建設業者が倒産した場合に限って保険金が支払われます。

供託の時期

「供託」の場合、住宅の供給戸数に応じた供託金は、決められている基準日(3月31日、9月30日)までに供託することになっています。供託金は新築住宅引渡後の次の基準日までに入金することになっているため、引渡後供託する前に建設業者が倒産した場合は保証を受けられないこともあります。施行2ヶ月の時点でこの事例に当てはまるケースが起こりました。この点からも明らかなように供託(入金)の時期は大切です。

対象となる欠陥

全ての欠陥が瑕疵担保履行法の対象になるわけではありません。仕上げ材が剥がれる・給排水による音の問題などは対象外です。保険の対象となるのは構造部分と防水部分だけで、「住宅瑕疵担保責任保険 設計施工基準」に定められています。また、基準に定めのない建材や工法でも性能が確認できれば使用することができますが、採用された工法によって通常生じる事象(雨水の浸入や・たわみ・すきま)については保険金を支払わない免責の範囲として免責事項に記載されますので、保険の内容を確認することが必要です。