4. 設計・工事監理における重要事項説明で注意すべき点

1) 概要

平成20年11月28日に建築士法が改正され、建築士事務所の開設者は建築主に対して設計・工事監理契約の締結前に、その事務所の管理建築士または所属する建築士が重要事項について説明させ、書面も交付することが義務づけられました。説明を行う建築士は建築士免許証を提示することも義務づけられています。

重要事項説明の対象となる項目は、設計又は工事監理の受託契約の内容とその履行に関する事項であり、特に書式は定められていません。具体的には以下の項目が義務付けられています。(建築士法第24条の7)

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  • 建築士事務所の名称、所在地、建築士事務所の区分(一級、二級、木造)、事務所開設者氏名
  • 担当建築士の氏名、建築士免許の登録番号や種類(一級・二級・木造、構造設計一級・設備設計一級)
  • 対象となる建築物の概要
  • 設計受託契約の場合は、作成する設計図書の種類
  • 工事受託契約の場合は、工事と設計図書との照合方法と工事監理の実施の状況に関する報告方法
  • 報酬の額及び支払いの時期
  • 契約の解除に関する事項

設計関連団体四会((一社)日本建築士事務所協会連合会、(公社)日本建築士会連合会、(公社)日本建築家協会、(一社)日本建設業連合会))では四会推奨標準様式において「説明をする建築士」と「説明を受けた建築主」の押印が加えられています。建築士法では建築士並びに建築主の押印の義務はありませんが、署名と押印することで、重要事項説明を行った記録と意思を確認することは大切なことなので有効な手段といえるでしょう。四会推奨標準様式では、重要事項説明を行った記録として重要事項説明書を2部作成し建築主と建築士事務所が各1部保有することを推奨しています。

参考ウェブサイト
一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会 重要事項説明について,
http://www.njr.or.jp/explanation/

また、設計・工事監理契約の締結後、以下の内容を記載した書面を建築士事務所の開設者が交付することとなっています。(建築士法第24条の8)

  • 前述の重要説明事項
  • 設計又は工事監理の種類及び内容
  • 設計又は工事監理の実施期間及び方法