5. 施工における重要事項説明で注意すべき点

3) 住宅瑕疵担保責任保険の免責事項

自然災害(地震保険の対象となっている全損・半損・一部損など)、自然劣化、不適切な維持管理、住宅取得者の指示などによる損害が含まれる場合は保険の免責事項になります。モラルハザードを防止するため、 故意や重過失の場合は建設業者が倒産している場合をのぞき、保険金は支払われません。建物が傾くとか雨漏りなどに対して、瑕疵担保履行法があるから安心と安易に考えてはいけません。また制度が始まったばかりで、 重過失の判断がどの様なときにされるかも不明ですので、きちんとした施工を行う建設業者と契約する事は大切なことです。
また、3章にも書かれていますが宅建業者から分譲住宅を購入する場合は、売り主の宅建業者が施工業者と同様に資力確保の処置として、「保険」または「供託」のいずれを選択しているかなど、 上述したと同様の重要事項について買い主に説明しなければならなりません。

参考ウェブサイト
国土交通省:住宅瑕疵担保履行法,
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/jutaku-kentiku.files/kashitanpocorner/index.html

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コラム4 「建設業者選びのポイント」

建物を建ててもらう建設業者を探す場合、地方公共団体が相談に乗ってくれる場合があります。

施工業者には、和風・洋風など得意・不得意分野がある場合がありますので、今までに建てた家を見て得意な分野を確かめる事も必要です。建てたい家の雰囲気に近い家を建てている建設業者が見つかれば最高です。

建設業者が絞り込めたら、その建設業者に今までの施工例(家)を見せてもらうようお願いしましょう。いい加減な施工をしている事例は見せたくありませんし、施工例を見せてもらえるのは建て主と信頼関係が築けている証拠で、 建て主の方からも評価を聞く事ができ、参考になります。建設業者と信頼関係があると新築後も模様替えや修理など色々なお願いをしたり相談したりできます。完成した家を見せてもらうことも大切ですが、工事中の現場があればそこも見学してみましょう。 工事現場が整理整頓されているかどうかも大切なポイントです。さらに今までの評判を調べることもしてみてください。

建築士を探す場合と同じですが、大切なことは、住宅を建てるにあたって、その建設業者に信頼感を持ち任せることができる会社かということです。契約を急がせたり、見積書に材料などの記載がなく「一式」ばかりが並んでいるような建設業者は要注意です。

あとから「言った」「言わない」のトラブルにならないように、建築主も施工業者も打ち合わせメモを残し、見積書などで判らない箇所は詳しく聞き、納得できるように説明を受けましょう。

コラム5 「住宅完成保証制度とは?」

この制度に登録された建設業者が工事を行うことが条件ですが、施工を請け負った建設業者が工事途中で倒産し工事が続けられなくなった場合に建築主(発注者)の負担を最小限に抑えるために作られました。

建築主が希望すると、工事を引き継ぐ別の建設業者を紹介してもらうことができます。

別の建設業者が工事を引き継ぐ場合、今までの建設業者が使っていた足場などの仮設資材が使えなくなるため、再度足場を設ける費用や建設機械のリース料などの費用が発生します。この制度では限度額がありますが、追加で必要になる費用が支払われます。

倒産した建設業者に支払った工事費(前払い金)と工事済み分(出来高)に差があり損害を被る場合に支払われる保証タイプもありますが、施工業者により利用できない場合がありますので、施工業者選びの時点で注意が必要です。

以上のように倒産による影響を少なくする住宅完成保証制度ですが、保証契約が成立した後に着工することが決められています。着工した後ではこの制度を利用することはできない点は注意してください。

さらに保証契約に必要な費用は建築主(発注者)自身が負担し、この制度に登録されている建設業者に工事を発注しなければなりません。

建設業者がこの制度に登録するには建設業法による処分歴、工事履行技術能力、経営状態などが審査されます。登録している建設業者はまだ少ないのですが今後は増えることが期待されます。

参考ウェブサイト
住宅瑕疵担保責任保険法人 住宅保証機構:住宅完成保証制度,
https://www.mamoris.jp/kansei/jigyousya/gaiyou.html