日本建築学会 建築歴史・意匠委員会
建築論・建築意匠小委員会
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第5回「歴史意匠論の可能性」──ライト,コルビュジェ,カーン,そして大江宏

第5回担当の法政大学では,建築歴史と建築設計(実践)の間を,建築家による意匠論の形成という観点から考えてみたい。近代主 義建築の登場以降,建築歴史と建築設計は乖離し,意匠論は歴史を忌避したままに推移してきたかにも考えられて来たが,一方で歴 史との対話的対決によって意匠論を構築してきた建築家の存在が認められる。と同時に,1930 年代から大戦を経て1950 年代へ掛 けて,そうした欧米の近代建築家の意匠論との対話的対決をして自己を確立した日本での建築家の存在をさらに確認することができ る。 京都大学企画の第2回「生成の場所-森田慶一と堀口捨己の思索をとおして」を受けて ,独自の作風で知られる大江宏の建築 世界を,氏が後年に提起した「歴史意論」の可能性として了解しつつ,ライト,コルビュジェ,カーンとの絡みで検討する。 大江宏による「歴史意匠論」に関するこうした吟味は,実存的個人[私]が,日本的現実の只中で,世界と世界史に対峙する時代の 意匠論として示唆するところが大きいのではないだろうか,大江宏の独自の文明論・歴史観である「混在併存」が培われた1962 年 -1967 年に事務所が置かれた目白時代を回顧しつつ,東京・目白の自由学園明日館において開催します。

日時 :2003年6月28日(土)14:30-17:00
会場 :自由学園明日館・講堂
パネリスト:三沢 浩(三沢建築研究所),富永 譲(法政大学),前田忠直(京都大学),林 一馬(長崎総合科学大学)
司会 :崔 康勲(法政大学)
質疑・討論:岸田省吾(東京大学),片木 篤(名古屋大学),小林克弘(東京都立大学),入江正之(早稲田大学), 奥山信一(東京工業大学),田路貴浩(明治大学)

・配布資料あり