book書籍「マンションの選び方、育て方」 長く暮らすためのマンションの選び方・育て方
日本建築学会 編
彰国社 刊
2008年8月 出版
四六・192頁・定価1,890円(本体1,800円)
ISBN 978-4-395-01210-7 C3052
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情報事業部会では、8月に刊行した「長く暮らすためのマンションの選び方・育て方」をテーマに、市民向けセミナーを行っています。第2回セミナーは詳細が決まり次第、追ってご案内申し上げます。

●問合せ先
〒108-8414
東京都港区芝5-26-20
(社)日本建築学会事務局 
セミナー係 川田昭朗

Tel. 03-3456-2051,
Fax. 03-3456-2058,
E-Mail: kawata@aij.or.jp

新築マンションを選ぶときには > I.住まいの場所を選ぶ > 4.事故・犯罪・災害リスク

新築マンションを選ぶときには

4.事故・犯罪・災害リスク

1)地域の安全性を確認しましたか? -地域に潜む災害・事故・犯罪のリスク

 マンションが立地する場所は,災害、事故、犯罪の多い地域ではありませんか? 地震が起こっても大丈夫でしょうか?  洪水で被害を受けそうではないでしょうか? 土砂崩れの危険はありませんか?

 住まいを選ぶ際には、地域の様々なリスクにも目を向けてみましょう。日常生活での利便性が高く、 手ごろな購入価格のマンションは魅力的です。しかし、災害や事故などの危険性の高い地域に立地している場合もあります。 次の点に注意して、立地条件や建物にきちんと対策が施されているか確認してください。

  • 地盤が軟らかい地域では、地盤沈下によって建物が傾いたり、地震時に大きな揺れに襲われたりする場合があります。 このような地域では硬い地盤まで杭を打つ、耐震性を高めるなどの対策が必要です。
  • 昔、川、沼、田だったところは埋立地で地盤が軟らかい傾向があります。また、工場があったところでは土壌が汚染 されている可能性もあります。その地域の昔の地図も見てみましょう。
  • 川沿いの土地は、豪雨の際に洪水の危険性があります。川沿いでなくても、低地の場合は雨水が溜まって洪水と同じように 浸水する場合があります。このような洪水リスクの高い地域では、地下室や地下駐車場に浸水の危険性があります。
  • 地名は、地形やそこに見られる動植物・構造物に由来することが多くあります。低地や窪地に関連した漢字(谷,溝,窪(久保)など), 水辺に関連した漢字(川,沼,蓮,芦(吉),鷺,亀,橋・船・堀・田など)を含む地名は,浸水しやすかったり,軟弱な地盤であったり する可能性があります。近年になって地名が変わった場合もありますので,昔の地図で確認してみましょう。
  • 道路によっては、事故や犯罪が多発している場合があります。ご家族が通勤・通学で使う道に危険が潜んでいないか確認しましょう。

 マンションの立地する地域での様々なリスクを事前にイメージして、納得した上で住まいの場所を選ぶことが重要です。

2)マップで地域のリスクを調べてみましたか? - 災害・事故・犯罪マップの調べ方

 政府・自治体では地域の様々なリスクを公開しています。ここでは、インターネットを使って地域のリスクを調べる方法をご紹介します。 さらに詳細な情報を調べる場合は、地域の自治体や図書館などを訪問するとよいでしょう。自治体の地域防災計画や被害想定の情報が役に立ちます。

画像:防災科学技術研究所:地震ハザードステーション:全国を概観した地震動予測地図

右のマップは全国で今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる可能性の高い地域を示しています。 色の濃い地域ほど可能性が高い地域です。東海地震・東南海地震・南海地震が懸念されている静岡県から 四国南部までの太平洋側で危険性が高いほか、関東平野、宮城県の太平洋側、北海道の太平洋岸でも強い 揺れの可能性が高くなっています。

この地震リスクマップを拡大して見るには?
防災科学技術研究所:地震ハザードステーション
http://www.j-shis.bosai.go.jp/
地盤が軟らかく、いざ地震が起こったら揺れやすい地域を調べるには?
内閣府:表層地盤のゆれやすさ全国マップ
http:/www.bousai.go.jp/oshirase/h17/yureyasusa/
住まいの周りの地震時の危険度を知るには?
東京都:地震時の危険度マップ(第5回地域危険度測定調査結果)
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_5/home.htm

同様のマップが日本各地の自治体で作られ始めています。ここに掲載されていない地域については、 自治体のホームページで地震時の被害想定結果が公表されている場合もあります。マンションが立地する 地域の自治体のホームページ上で、「防災」や「安全・安心」情報のページを見てみましょう。

内閣府:地震防災マップ:
http://www.bousai.go.jp/oshirase/h17/050513zisinmap.html

洪水リスク

地域によっては、河川が氾濫したり集中豪雨に見舞われたりした場合に地域で想定される洪水の危険性をマップで 公表している場合があります。これらのマップを洪水ハザードマップと呼びます。

地域の洪水リスクを調べるには?(自治体名から探す)
財団法人 河川情報センター:洪水ハザードマップ公表一覧
http://www.river.or.jp/hazard/link/search.html
・地域の洪水リスクを調べるには?(河川の名前から探す)
国土交通省:浸水想定区域図のホームページリンク集
http://www.mlit.go.jp/river/saigai/tisiki/syozaiti/sinsui/sinsui-ref3.html

事故リスク

マンションの近くにある大きな交差点や踏切に事故が多い場合もあります。最寄り駅から自宅への道や 通園・通学時に通る道の安全性を調べてみましょう。

警察庁・国土交通省:交通安全マップ(全国)
http://www.kotsu-anzen.jp/index.html
警視庁:交通事故発生マップ(東京都)
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/jikomap/jikomap.htm

犯罪リスク

ひったくりや住居侵入などの犯罪が多発している地域もあります。東京都をはじめとして 都道府県の警察本部のページで犯罪マップを公表している場合があります。住まいの周辺の安全性を調べてみましょう。

警視庁:犯罪発生マップおよび犯罪情報マップ(東京都内の犯罪発生数情報)
http:/www.keishicho.metro.tokyo.jp/toukei/annai/map_annai.htm

昔の地図を見る方法

昔、川、沼、田だったところは埋立地で地盤が軟らかい傾向があります。また、工場があったところでは 土壌が汚染されている可能性もあります。地域の図書館で昔の地図や郷土史などの書籍を見てみましょう。 また、国土地理院では昔の地図を閲覧できます。地名から地形や地盤が見分けられる場合がありますので調べてみましょう。

国土地理院:旧版地図の閲覧について
http://www.gsi.go.jp/MAP/HISTORY/etsuran.html
横浜市:横浜市三千分一地形図
http://www.city.yokohama.jp/me/machi/kikaku/cityplan/gis/3000map.html
convivial-web.com:家すぐMAP(1974年から5年ごとの土地利用が閲覧可能)
http://convivial-web.com/PHMaps/