book書籍「マンションの選び方、育て方」 長く暮らすためのマンションの選び方・育て方
日本建築学会 編
彰国社 刊
2008年8月 出版
四六・192頁・定価1,890円(本体1,800円)
ISBN 978-4-395-01210-7 C3052
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情報事業部会では、8月に刊行した「長く暮らすためのマンションの選び方・育て方」をテーマに、市民向けセミナーを行っています。第2回セミナーは詳細が決まり次第、追ってご案内申し上げます。

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〒108-8414
東京都港区芝5-26-20
(社)日本建築学会事務局 
セミナー係 川田昭朗

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E-Mail: kawata@aij.or.jp

新築マンションを選ぶときには >II.建物性能を見極める >8.さまざまな環境-シックハウス(空気質と換気)

新築マンションを選ぶときには

8.さまざまな環境-シックハウス(空気質と換気)

1)シックハウスを避けるには?

 シックハウス症候群という言葉をよく耳にするようになったと思います。シックハウス症候群とは、建物内で化学物質の影響により病気になることをいいます。

 建築基準法では、接着剤などに含まれるホルムアルデヒドと防蟻処理剤クロルピリホスが規制対象となっています。しかしながら、シックハウス症候群を引き起こす化学物質はそれだけではありません。速乾性ボンドやシール材、シンナーなどの溶剤に含まれるトルエンなども被害を与える化学物質として代表的です。建築に関わるものだけではなく、生活で何気なく使用している洋服の防虫剤、パラジクロロベンゼンなどの被害も少なくありません。無臭の防虫剤は存在が気付きにくく、暴露されている自覚がありません。近年、和ダンスのような気密性の高い家具から、折り戸や換気口のあるクローゼット型の収納が寝室などに設置されているスタイルが多くなり、衣類の防虫剤に暴露されやすい環境となっています。芳香剤や消臭剤も化学物質ですので、過剰な使用はシックハウス症候群を発症する原因ともなりますので、ライフスタイルも考える必要があります。

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2)法律にも限界がある

 建築基準法では、室内空気の汚染を防ぐために、新築の建物は規制として、0.5回/1h、2時間で部屋の空気を全て入れ替える量の換気性能が義務づけられています。機械的に換気しても空気の流れは均等でないので、必ずしも数字通り隅々まで換気ができるとは限りませんし、化学物質への反応は、全ての人に一律ではなく花粉症のように病気が発症する化学物質の許容量には個人差があります。そのことを充分に理解し、機械換気がついているから安心と考えず、化学物質に暴露されない生活を心掛けたり、まめに窓を開け自然換気を行うことも重要です。機械換気も手入れを怠ると、フィルターが詰まり、換気量が不足したり、給気型の換気扇の場合、フィルターが汚れてカビが生えたりすると、それが空気を汚染してしまうこともあります。換気扇のこまめなメンテナンスが必要です。

3)天然素材、自然素材

 天然素材、自然素材だから、シックハウスにならないとは限りません。自然の木でも、天然の科学物質が含まれており、体質によってはそれでアレルギーを起こすこともあります。体質が気になる方は、専門の病院でパッチテストなどでアレルギー反応を調べてくれますので、検査を受けて素材を選ぶのも良いかも知れません。

4)アレルギーを起こしやすい天然素材

 うるし、ヒバ・ヒバ油、米杉、ネズコ、桧、松・テレピン油、しょうのう(クスノキ)オレンジピールオイル

・シックハウス対策について知っておこう。
国土交通省
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_1.pdf
 
 
・シックハウス対策の総合情報
http://sickhouse.ansin-sumai.com/