日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

 視覚障害者といえばすべて見えない人と考えるのは間違いである。弱視と呼ばれる人やロービジョンと呼ばれる多くの人たちの環境バリアフリーが大切である。

 ロービジョンの外出時における問題点や歩行実態を調査した結果、意外と役に立つ事物がまちなかに存在することが確認できた。これらの環境特性を理解し、具体的な対策として誘導ブロックの敷設に限らず環境デザインとしての工夫が期待される。とりわけ、夜間における街路歩行における安全対策が必要である。夜間の視覚的手がかりとして商店から光や誘導ブロック以外にも路面の白線なども活用していることがわかっている。環境設備としては、街路照明の配置や明るさを再考していくことが急がれる。

参考図:田中直人・岩田三千子 「夜間歩行におけるロービジョン者の意識と街路空間の視環境調査」日本建築学会計画系論文集第613号 p89-94、2007