日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

 コペンハーゲンの空港と市内とを結ぶ列車のホームにはエスカレータを利用して降りる。2台並んだエスカレータの手前には写真のようなガラスのドアがあり、左の赤地に白い横ラインは交通標識でお馴染みの「進入禁止」、緑地に白い縦ラインはその反対の「進入可」を表す。ラインの向きだけでも良いのだが、さらに色彩イメージを活用した情報を付加することによって、直感的に素早く進行方向を選択することができる。デンマーク人はもちろん、文字の読めない外国人も、子どもも、安全に進入できる。

 サインと色彩の関係については、色に対して人が本来持つイメージと、そのサインが意味する内容とがマッチしていることが重要である。北欧のデザインには、何気ないところにこのような配慮があり、人にやさしく、安心・安全に利用しやすい。



写真1 2台並んだエスカレータ手前のドア



写真2 進行方向のドアが開いた状態