日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

夏季の屋外での木陰(日除け)は、暑さ対策として非常に有効である。東名阪自動車道の御在所SA(ございしょサービスエリア)の一角の休憩所には、「フラクタル日除け」によって、人工的に木陰をつくっている。三角形の小さな金属板を、数学のフラクタル理論を用いて、樹木の葉のように見えるように3次元(空間的に)に配置している。このフラクタル日除けは都市のヒートアイランド対策(*1)として開発されたものではあるが、このように使うことで、風通しを確保しつつ、日除けや、見た目としての木漏れ日の効果が期待できるデザインとなっている。残念ながら、小さな金属の三角形板は風にそよぐわけではない。また、テントのように完全に雨が防げるわけではない。しかし、木陰で、青空を見上げつつドライブの疲れをとるには良い効果をもたらしているだろう。机や椅子もフラクタル日除けと同系色にデザインされている。



写真 御在所サービスエリア(東名阪道・上り線)のフラクタル日除け

*1 フラクタル日除けとは http://www.gaia.h.kyoto-u.ac.jp/~fractal/detail/index.html(2015年3月アクセス)