日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free


高齢者の環境における不自由さを体験し、環境バリアフリーへの理解を深め、関係者の環境改善への共通理解を深めるために「高齢者疑似体験装置」が活用される。

 これらは、歩行困難をはじめ日常の生活行動における不自由を特別に考案された装置を装着することによって、日常の健常者の行動との差異から「不自由」を実感させようとするものである。視覚的にも特殊なメガネを装着することでの試みとして、いわゆる“黄色メガネ”が考案されている。

 この眼鏡を装着することで外界のサインなどの色彩の見え方を体験するものである。高齢者と青年に対する検証実験から、“黄色メガネ”をそのまま高齢者の視環境を正確に把握するには妥当でないことを確認している。あくまで疑似体験であって、実際の見え方とは違うことを肝に銘ずるべきである。

田中直人・岩田三千子・老田智美 「疑似体験装置“黄色メガネ”の検証」日本建築学会大会学術講演梗概集、p153-154、1998