日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

学校に冷房は必要?

空調(冷房)設備を設置する学校が増えてきている。文部科学省の調査によると、公立小中学校の普通教室への冷房設備の設置率は、平成16年には6.2%にしかすぎなかったのだが、平成26年には32.8%と急増している。この背景には、地球温暖化やヒートアイランド現象によって夏季の温熱環境が悪化していること、外部環境の悪化(大気汚染、騒音等)によって窓を開放して涼風を取り込むことが難しい場合があること、学校制度の変化によって夏季の教室利用が増えていること、体温調節が難しい人が少なくないことなどが挙げられる。したがって、都道府県別に比較すると、気温の高い地域の冷房設置率が一概に高いというわけでもない。冷房設備ばかりに頼ることには問題があるが、体温調節が難しい人にとっては冷房が必要な設備となるときがあるのである。

出典:文部科学省報道発表:公立学校施設の空調(冷房)設備設置状況調査について,平成26年5月23日