日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

環境バリアフリー小委員会の概要

活動の目的

 視覚、聴覚、触覚・体感的、知的、精神、内部障がい、アレルギー疾患など、情報や環境に対する社会的弱者の感覚機能と建築空間の関係についての建築環境工学分野の研究は、国際的な高齢化傾向の中、ますます重要な課題です。 環境バリアフリー小委員会では、建築環境工学分野のバリアフリーデザインやユニバーサルデザイン空間について、研究会や見学会などの議論の場を設けて、当該分野の新たな研究課題の抽出と重要性を検討することを目的とします。

学会に設置する必要性、緊急性、新規制及び委員会の性格

 高齢者や障がい者についての先進的研究、計画事例を有する我が国は、より学際的な立場でバリアフリーデザインについての研究を深め、国際社会に啓発する使命があります。なかでも、建築環境工学分野を横断的に取り扱うことが可能なのは建築学会において他ならず、小委員会設立の意義があります。

委員会の構成

 委員は、日本建築学会においてバリアフリーデザイン、およびユニバーサルデザインの観点から、障がいを持つ人々の問題に取り組もうとしている、光、熱、音、空気の異なる専門分野の環境工学および建築計画の研究者により構成されています。

活動計画

初年度: 公開の見学会などを企画して、設計事例の収集に努めるとともに、QOLや法律・条令・要綱などにおける高齢者や障がい者に対する建築環境工学分野の内容を把握します。さらに、委員の持つそれぞれの分野の研究成果について、委員会を開催して情報交換を行います。今後の研究活動についての目標設定を明確にしながら,メンバー各自がさらなる研究活動を行っています。また、それらの成果について、委員会や見学会を企画して継続的に情報交換を行い、知見を広めます。
2年度: 建築学会の計画系のバリアフリーおよびユニバーサルデザイン関連研究者とも連携し、公開の研究会を企画します。また、環境要素の相互関係に着目した環境工学研究の推進を図りながら、さらなる研究課題の抽出に努めます。

内容と公表形態

 小委員会を頻繁に開催して委員相互の情報交換を活発に行うことや、公開の見学会や研究会を企画して、それぞれの委員の持つ環境バリアフリー設計についての研究成果や設計実務の成果を、建築学会の研究者および設計者などに公表します。 その他、プレスリリースや著作活動などの方法を用いて、環境バリアフリー設計の重要性についての啓発活動と情報発信に努めます。
 以上のような活動を通じて、さらなる研究課題の抽出が期待できるとともに、近い将来において、高齢者や障がい者を対象とした環境バリアフリー設計指標を構築することが期待できます。