日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

地球温暖化やヒートアイランド現象により、体温調節の観点から高齢者・障がい者(頸髄損傷者や脊髄損傷者等)・乳幼児にとって、ますます厳しいものとなっている。特に、乳幼児は温熱環境や体温調節が成人と異なり熱的な適応力が低いため、より一層の身体への配慮が必要である。乳幼児に対する日射受熱による体温変動や熱中症等の影響に関する研究は非常に少ない。
ベビーカー乗車時における乳幼児人体への日射の当たり方がわかると体温調節のシミュレーションなどによって、暑さ寒さを言葉として訴えられないベビーカーの乳幼児の体温状況などを保護者がリアルタイムに把握できるようになり、熱中症などを未然に防ぐことができる。
そのための一つの要件としてベビーカーの乗っている乳幼児に対する日射の当たり方を写真法により求めた。立っている大人と違い、乳幼児は寝そべっている姿勢となるので、方向によっては太陽に当たる面積割合が顕著に大きくなり日射の影響が大きくなり、大人よりも暑く感じている可能性が高い。ベビーカーの日除けフードは上半身には効果的ではあるが、下半身はカバーできない可能性が高い。これらの結果は、車いすを利用する子どもたちにも当てはめられる。





出典:土川忠浩,近藤恵美,木村理沙:ベビーカー上の乳幼児の日射投射面積に関する研究-その2 幼児用ベビーカーに対する検討-,日本建築学会大会学術講演会梗概集(近畿)環境工学pp.453-454,