日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

ダイアログ・イン・ザ・ダーク

ヒトは外界の情報の多くを視覚から得ているといわれている。しかし,視覚以外からの情報も実に多くのことを教えてくれている。では,視覚から得ていた情報を視覚に頼らないで得るにはどうしたらよいのだろうか。そんなことを気づかせてくれる取組みのひとつにダイアログ・イン・ザ・ダーク(http://www.dialoginthedark.com/)がある。完全な暗闇の中、アテンド(暗闇のエキスパートである視覚障がい者)のサポートを受けながら、数名の参加者と過ごすひと時。先へ進むにも、誰かの声かけがなければ、どの方向に進めばよいのかわからない。音声によって相手との距離感や方向を把握できることがわかってくると、それを頼りに行動できる。視覚以外から入ってくる情報の豊かさを大切にすること(環境バリアフリー)や人とコミュニケーションすることによる安心感(ハートのバリアフリー)を実感できた。そういえば「暗闇」という漢字には「音」が含まれている。まさに暗闇の中では、音が頼りだった。