日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

サイン音は、取り付け位置が高いと方向が分かりにくくなるといわれている。この実験は、実際にどの程度分かりにくくなるかを検証したものである。まず、駅の階段を示す音サインを想定し、楽器音(Vibraphone)の和音と三角波のチャープ音を用いて6種類の試験音を作成した。これらを用いて音の定位実験と印象評価実験の2つを行った。定位実験では、試験音のうち和音とチャープ音の2種類を用いた。試験音は水平8方向、仰角3段階に設置したスピーカより再生して被験者に提示した。背景音は実際の駅で収録した音の音圧レベルをほぼ再現した。その結果、各方向の正答率はやや前方が高いことが示された。仰角については、仰角が大きくなるほど正答率は低下した。主観的な印象としてはチャープ音より和音が好まれることがわかった。


図1 実験状況

図2 方向正答率(高さ位置の正誤を問わない)
    音の種類に有意差なし 仰角間の差:5%の有意性