日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

 情報をわかりやすく伝えたり、誘導を円滑に行うために床のサインが設置される。その代表的なものにいわゆる点字ブロック(視覚障害者誘導ブロック)がある。その仕様は日本工業規格(JIS)で定められている。寸法は300×300。誘導用で線状のものと警告用で点状のものがある。全国的に普及が進んでいる状況である。しかしながら規格制定以前のタイプの混在や摩耗、損傷したものも多く存在する。特に、交通量の多い路面に設置されたものや積雪地域において設置されたもので除雪作業時における損傷によるものなどはその程度は大きい。せっかく設置されたものも環境の適切な管理やメンテナンスが行き届かなければ有効性は低下する。同様に、視覚障害者に情報提供するために設置された点字表示も欠損しているものもみられ、実際の利用時に誤った情報、判読困難な場合もある。正常な状況かどうかの把握も担当者が点字を読めなければ不可能である。環境バリアフリーはその環境自体がどのようにメンテナンスされているかによってその意図の実現状況の差は大きくなる。


写真:欠損した点字ブロック