日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

最近の講演会では手話通訳付きを含め、プロジェクター等の映像機器を用いた講演が増えてきている。映像の投影の際には会場内の照明は低く抑えられるため、手話者への光量不足で、手話が見えにくくなることがある。映像機器を使用した場合の手話通訳を想定した模擬舞台、照明装置を設置した室内で、照明方法、手話者位置での照度、被験者と手話者の距離を実験条件に、手話の見やすさ評価実験を行った。
その結果、映像機器を使用した講演での手話者への照明方法として、“スポット”,“上下部”照明が適していると考えられ、“下部”,“側部”からの照明は、他の照明方法に比べ評価値が低く、手話者への照明方法として適していないと思われる。
照明方法の違いが、手話の見やすさ評価に影響を与えていることがわかった。手話者を見る向きは、見やすさ評価への影響は少ないと考えられるが、見る向きで、照明方法により手話者の見かけの明暗・陰影が大きく異なる場合は、評価への影響が認められた。


図 照明方法