日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

吉田兼好の『徒然草』五十五段から住まいの環境工学を考えてみるとおもしろい。とくに冒頭部分の「家の作りやうは、夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比はわろき住居は、堪へがたき事なり。」は有名である。ここでは京都に住まいしていたことが前提であるということをつけ加えて、“暑さ”について考えてみた。

“暑さ”も環境バリアのひとつであるが、“暑さ”にもいろいろあるのである。京都市青少年科学センター(写真)には、人工気象室(気候と環境体験ルーム)があり、京都と砂漠の暑さを実際に体感比較することができる(2016年8月現在)。暑さをコントロールするというと温度ばかりが注目されがちだが、温度以外の条件によって暑さ対策が異なってくることを身をもって知ることができる。すなわち、“暑さ”に関するバリアフリーにもいろいろな方法が考えられるということである。



写真 京都市青少年科学センター(気候と環境体験ルーム)

ちなみに、京都市青少年科学センターはクールシェアスポット注1として夏休み中は入館料が割引となっていました(2016年8月現在)。
注1)クールシェアスポット:1人あたりのエアコンの使い方を見直し、公共施設等を利用して涼をシェアしようという考え方で、気軽に集まって涼むことのできる場所のこと。



図 地点別平年値グラフ(気象庁HPの地点別平年値データをもとに作成)