日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

写真はデンマーク・オーフスの高齢者施設の階段室とエスカレータ周囲の壁。説明的な文字案内よりも,フロアの色彩を用いたサインが効果的である。認知症の住人には,文字によるサインよりも,直感的な認知に働きかける色彩が,フロアのイメージに結びつく。今,自分が居るところはどこか,自分の向かうところはどこか,文字や数字による説明よりも記憶に残り,感覚に働きかける。足を止めて近くによって読み解く必要もなく,施設の空間に慣れない訪問者にも分かりやすい。
日本語の漢字は画数が多く複雑で,さらに他言語標記が求められると,限られた面積では小さくならざるを得ない。図形を用いたサインが効果的であるように,色も使い方次第で効果絶大である。ただし,安全色彩や避難誘導表示などを優先し,かつ,騒色(そうしょく)にならないように配慮すること。