日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

誘導用ブロックと舗装床の色彩の組み合わせ方による視認性と景観の印象について弱視者及び大学生を対象とした評価実験を行うことにより、誘導用ブロックとデザイン舗装のあり方を考えてみた。まず、実験1では舗装床と誘導用ブロックを想定して作成した色票を使用して、弱視者5名を対象に視認性・好み・調和についての評価実験を行った。その結果から区別しやすい組み合わせを選定し、3種類の景観写真を用いて歩道の色彩と誘導用ブロックの色彩をPhotoshopにより変化させた画像を印刷したものを大学生に評価させた。
実験結果から、弱視者は彩度差による視認性の向上は認められないことから、景観上不必要に彩度の高い色彩を使用することは望ましくないことが明らかとなった。既往研究と同様、輝度比は2以上あることが望ましいことが示唆された。
輝度比が十分に得られない場合、対比色相を使用すると視認性が向上するが、対比色相は景観と調和しない場合が多いので注意が必要である。