日本建築学会
環境設計運営委員会
環境バリアフリー小委員会
Subcommittee of Environmental Barriers-free

色彩のバリアフリー

モノクロ印刷が標準だった時代は、折れ線グラフをつくる際には線の種類やマーカーの形状を変えて、わかりやすくなるように工夫していた。ところが、今は自由に色を選べるようになったため、色分けのみで完成させているグラフを目にすることも珍しくない。しかし、色の見え方は、遺伝子のタイプや目の疾患によって異なるので、自分が見やすい色を使っていても、それが他の人も見やすいとは限らないのである。日本人男性の場合、色弱者は20人に1人の割合でいるといわれている。男女同数の40人クラスとすると、色弱の子どもが1人はいることになる。だから、色だけでなく、形状なども工夫したわかりやすいデザインが求められるのである。


写真1 時刻表(一般色覚者の見え方)

写真2 時刻表(P型色覚者の見え方)
特急は赤の白抜き数字、準急は枠つきの青字、普通は黒字と区別して表示している。